スペインのメディアが、F1エンジンサプライヤーであるメルセデスが、自社製パワーユニットを供給する顧客チームのパワーバランスを調整しているのではないかと報じている。
スペインの『El Pais(パイス)』によれば、現在メルセデスからパワーユニットの供給を受けているウィリアムズ、ロータス、フォース・インディアの3チームは、それぞれ年間2,500万ユーロ(約31億8,000万円)ほどの代金をメルセデスに対して支払っているという。
だが、『El Pais(パイス)』によれば、同額を支払っているとはいえ、すべてのチームが平等に処遇されているわけではないという。
最近、ウィリアムズのフェリペ・マッサが、ウィリアムズに供給されているパワーユニットは、メルセデスのワークスチームであるメルセデスAMGが使用しているものと完全に同じ最新型のものではないように思えるとコメントしていた。だが、その後、メルセデスはもちろん、ウィリアムズF1チーム自体も、そうした事実はないと否定している。
だが、『El Pais(パイス)』は、「フェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスを擁するウィリアムズは、常に(メルセデスAMGの)一歩下に位置している。ロータスやフォース・インディアに関してはさらに異なる状況に置かれている」と主張。
さらに、先週末のF1中国GP(第3戦)では、予選で突然ウィリアムズのパワーが一段階上昇したように見えたが、これは恐らくメルセデスが、追い上げムード著しいフェラーリと自らのワークスチームの間に、緩衝剤としてウィリアムズを持ってこようと試みたことによるものではないかと『El Pais(パイス)』は推測している。
もし本当にメルセデスが意図的にそうした調整を行っているのであれば、顧客チームもそれに対して文句を言ってもおかしくはないはずだ。だが、『El Pais(パイス)』は、ある情報提供者による次のようなコメントを紹介している。
「それは、契約にそれを受け入れなくてはならない条項があるからだ」