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ライコネンも復活?一方では辛口な見方も

2015年03月31日(火)21:16 pm

今年フェラーリ復帰2年目を迎えるキミ・ライコネンだが、現在の契約は今シーズンまでとなっている。ライコネン自身は2016年以降もフェラーリでレースをすることを望んでいることを公言しており、その契約にはライコネン側に契約延長のオプション権があるとも伝えられている。

【結果】F1マレーシアGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント

そのライコネンの2014年シーズンは、チームメートであったフェルナンド・アロンソに大きく水をあけられてしまっていた。

■今年もチームメートに先行を許したライコネン

35歳となったライコネンは、友人でもあるセバスチャン・ベッテルをチームメートに迎えて新しいシーズンに向かうことになった。だが、ここまでのところ、メディアの見出しをにぎわせているのはそのベッテルのほうだ。

ベッテルは、フェラーリ移籍後初レースとなったオーストラリアでの開幕戦でも3位表彰台に上ったが、先週末のF1マレーシアGP(第2戦)では移籍2レース目にしてフェラーリに35レースぶりの優勝をもたらしている。7度F1王者に輝いたミハエル・シューマッハでさえ、フェラーリで初優勝を飾ったのは移籍7レース目でのことだったにもかかわらずだ。

かつてシューマッハと同時代に活躍していた元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、『Telegraph(テレグラフ)』に対し、ベッテルのマレーシアGP決勝での走りは「ミハエル・シューマッハ風のパフォーマンスだった」と語っている。

2戦連続で表彰台に上ったベッテルは、今やドライバーランキングでも2014年のチャンピオンであるルイス・ハミルトンのすぐ背後に迫ってきている。

「たった3ポイント差? 本当? ワオ」とハミルトン。

そうしたベッテルの陰に隠れてしまっているのがライコネンだ。2レースを終えた時点でベッテルが40ポイントを獲得したのに対し、ライコネンはまだ12ポイントだ。

■ライコネン復活を確信する関係者たち

だが、F1関係者たちは間違いなくライコネンがかつての調子を取り戻してきていると見ている。単にライコネンがここまでベッテルに対して見劣りのするポイントしか取れていないのも、オーストラリアGPでも、そして先週末のマレーシアGPでもトラブルに見舞われてしまったことが大きく影響していたためだ。

決勝を11番グリッドからスタートしたライコネンだったが、レース開始早々に最終コーナーでのフェリペ・ナッセ(ザウバー)との接触によって左リアタイヤがバーストしてしまいその状態で1周してピットに戻らなくてはならないというトラブルにも見舞われていた。

その後セーフティカーが導入されたことで救われた面はあるが、いずれにしてもほぼ最後尾から最終的に4位にまでばん回してみせたライコネンの走りが見事だったのは事実だ。

フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、ライコネンはすでに今年「驚くべき」ドライバーであることを証明してみせたと主張。

かつてフェラーリで活躍した元F1ドライバーのジャン・アレジも、本当であればライコネンがマレーシアGPで表彰台に上っていてもおかしくなかったと思うと『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』に語っている。

1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブも同意見だ。

「ライコネンは(マレーシアで)とてもよかった」

イタリアの『Sky(スカイ)』にそう語ったビルヌーブは、次のように付け加えた。

「彼は早めにピットに入らざるをえなかったし、その後は使い古したタイヤで難関に立ち向かわなくてはならなかったんだからね」

メルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)も、ライコネンの金曜フリー走行でのペースは驚くべきものだったと認め、そのときに今週末は厳しい戦いになるだろうと考えていたとフィンランドの『MTV3』に次のように語った。

「キミのロングランでのペースが非常にいいことは分かっていた。その時点で、フェラーリにとってはいい週末になりそうだと思っていたよ」

■ライコネンはベッテルには届かないと見る者も

だが、ジャン・トッド(現FIA会長)が就任するまでフェラーリのチーム代表を務めていたチェーザレ・フィオリオは、これからもベッテルのほうが2015年シーズンを通じてライコネンを上回るだろうと見ている。

フィオリオは、イタリアのラジオ局『RAI』に対し、ライコネンについて次のように語った。

「時折、彼にとっては事態がよくない方向へ進むことがある。実際、土曜日(マレーシアGP予選)もそうだった」

フリー走行ではベッテルを上回るタイムを出していたライコネンだったが、雨が降りだすことが確実と見られた予選Q2でベッテルが早めにコースインしてタイムを出しに行ったのに対し、ライコネンはピットアウトが遅れたことで雨の影響を受けてQ3進出のチャンスを逃していた。

「彼はキャリアの終盤を迎えているが、それでも偉大なチャンピオンだ。だが、まだ2レースを終えたばかりではあるものの、チーム内でのドライバーの序列はすでに確立されてしまったよ」

そう語ったフィオリオは、次のように付け加えた。

「もし、ベッテルがチャンピオン争いに加わっていくようなことになれば、ライコネンはそのサポート役に回るしかないだろう」

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