マクラーレンとフェルナンド・アロンソの関係が再び壊れつつある。そんな考えをロン・デニスが否定した。
2007年、当時ルーキーだったルイス・ハミルトン(現メルセデスAMG)とアロンソを擁したマクラーレンはスパイ事件もあって劇的なチーム崩壊を遂げ、アロンソは1年でチームを去った。
8年後の2015年に再びタッグを組んだ両者だが、5年に渡ってタイトルと無縁のフェラーリと別れたばかりのアロンソにとって、ただ都合がよいだけの関係と見る者もいる。
ようやくマシンが走り始めた今、アロンソとマクラーレンの仲はすでに8年前よりトラブル含みだ。
MP4-30は遅い上、バルセロナ冬季合同テストの事故でチームとのあいだに亀裂が走ったといわれる。
F1第2戦マレーシアGP直前の26日(木)、公式記者会見に臨んだアロンソは、先にチームが公式発表した事故報告をことごとく覆す発言を繰り返した。これでは、チームへの「攻撃」と周囲にとられても仕方ない。
8年前にアロンソと激しく衝突したマクラーレンCEOロン・デニスは28日(土)、セパンで次のように語った。
「チームとフェルナンドは何の問題もない」
「彼(アロンソ)は自分の記憶にある事故について語り、われわれはデータに基づく事故の見解を発表した。ただそれだけの話だ。すべて順調さ」とイギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙に述べたデニス。
それでもアロンソ事故とその後の展開についての疑問は残る。そんな中、2014年F1世界チャンピオンのハミルトンはマレーシアGPのドライバーズ・ミーティングで声を上げた。ほこ先はFIA(国際自動車連盟)から派遣された競技委員長チャーリー・ホワイティングだ。
「彼(アロンソ)がクラッシュしたら、FIAはどうしたって?」「彼に薬でも与えたのか?」
「ほんとうに?FIAが(事故調査後に)声明を出したことは?ぜひ聞いてみたいものだ」。以上のように発言したとされるハミルトン。
話のつじつまが合わないと、やがてそれは勝手な憶測に発展する。独ケルンのタブロイド紙『Express(エクスプレス)』は、ドーピングの可能性さえ指摘している。
大の自転車ファンで知られるアロンソは、かつて禁止薬物スキャンダルでロードレース界を揺らしたスペイン人医師エウフェミアーノ・フエンテスに関係しているというのだ。
そのうえアロンソのトレーナー、ファブリツィオ・ボッラは、伊ロードレースの英雄マルコ・パンターニに付いていたことがある。パンターニは2004年、コカイン中毒で34年の生涯を閉じた。