新たなワークス関係が本格的に走りだしたマクラーレンとホンダ。コラボを強固なものにしようと現在、両者とも懸命だ。
マクラーレンとホンダが手を組むのは20数年ぶりのこと。ホンダのF1復帰にあたってマクラーレンは、1980年代から90年代に勝利を独占した超強力タッグの再来を高らかに宣言した。
ところがフタを開けてみると、2015年F1開幕戦オーストラリアGPでは予選最下位。続く第2戦マレーシアGPは同じ屈辱を免れたが、もっと後方にマノー・マルシャがいたおかげだ。彼らは107パーセントの予選規則適用を逃れ、ロベルト・メルヒの1台だけがグリッド最後列につけた。
決勝では2台ともリタイアに終わったマクラーレン・ホンダ。しかしドライバーのフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンは、MP4-30の大きな進化を強調している。
「チームとしては90パーセントの出来だ」とスペイン『El Pais(パイス)』紙に語るのは、レーシング・ディレクターのエリック・ブーリエ。
「残りの10パーセントは、大きな文化の違いによるもの。歩み寄りには時間が必要だ」
一例として同紙はヘレスで行われた最初の冬季合同テストを挙げる。マクラーレンのメカニックたちは2度にわたってMP4-30のエンジンを始動したところ、2度ともオイルが入っていなかった。
「エンジンそのものは別として、周りを取り囲むすべてにわれわれの協力が必要とホンダは気づいたのだ」とブーリエ。
その一方、マレーシアではフェルナンド・アロンソが話題の中心となった。去年まで所属したフェラーリが勢いを取り戻した今、アロンソはチーム移籍を後悔しているはずだといわれる。
何しろ、彼のマシンはF1グリッドでもっとも遅い一台だ。それに、アロンソの代わりにフェラーリ入りしたセバスチャン・ベッテルは、絶対的ナンバー1チームのメルセデスAMGに食らいついている。
それでもアロンソは自分が「辛抱強い」ところを強調している。
「ホンダで働く日本人の多くは初めてのF1なんだ。成長するなら、僕らと一緒に成長すればいい」とアロンソ。「僕自身、チームに復帰できてとても嬉しいよ」
「再び勝つには手段を変える必要がある。ただメルセデスAMGのやり方を真似てばかりではダメだ」