マノー・マルシャは、F1でもっとも権力を持つ男バーニー・エクレストンの後ろ盾を失ったとみられる。
開幕戦オーストラリアGPでは、走るつもりがないのに機材と人員をメルボルンに送ったといわれる彼ら。レース後、エクレストンはカンカンに怒っていた。
仕返しに、昨年の賞金から19分の1を召し上げ、チームに輸送費の請求書を送りつけたという。
新オーナーのジャスティン・キングもエクレストンの攻撃の的だ。キングは英小売チェーン、セインズベリーの元CEO。現在はマノー・マルシャ新体制のもと、チーム会長の身だ。
以前はエクレストンの後継者とみられたこともある。
ところが、どうやらキングは候補から外れたらしい。キングの指揮下、メルボルンでは決勝に出るどころかエンジンに火も入れられなかったと、エクレストンはイギリス『The Independent(インディペンデント)』紙で、次のように彼をこき下ろす。
「あれがジャスティン・キングのやり口だ」「まったくキングは商売人だよ」
「あの男はどんなことでもやってのける」とクリスチャン・シルト、キャロライン・リードの両F1経済記者に語ったエクレストン。
「正直いって、はらわたが煮えくり返る思いだ」「手元にはロクなものがなく、(オーストラリアでは)走ることさえできなかった」
エクレストンはマノー・マルシャの復帰を許したことを後悔している。F1の商業権を司るCEOとして、彼らに2014年の賞金5,000万ドル(約59億5,600万円)を払わねばならない。
「経営破たんが発覚した時点で、彼らを切り捨てるべきだった」とエクレストン。
「清算人の管理下に置かれながら、その後、何ごとも起きなかったかのように経営再建したのが問題だ。そんなおかしな話があるか。いまいましい」