先月下旬、バルセロナのF1冬季合同テストでフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)に起きた事故。その瞬間、チームの控えドライバー、ケビン・マグヌッセンは今季インディカー・シリーズで戦うチャンスを逸した。
マグヌッセンは昨年、マクラーレンからF1デビューを果たしたばかりの若手だ。ところが2年目の今年、マクラーレン・ホンダのプロジェクトが本格始動すると、彼は控えに格下げされた。チームがフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンのF1世界タイトル経験者コンビを優先したからだ。そこでマグヌッセンは活躍の場を外に求めることにした。
「インディカーはどうかと思ってね」とマレーシアで語る22歳のデンマーク人、マグヌッセン。「あるチームと、もう少しで契約するところまでこぎ着けたんだ。とはいえ、僕は常にF1を第一に置いている」
「でもフェルナンド(アロンソ)の代わりにオーストラリアGPを走ったので、インディカーの可能性はなくなった。もう忘れることにしたよ」とロシア『f1news.ru』に話すマグヌッセン。
しかしながらアロンソの代役で出場したオーストラリアGPで彼は、大きな失望を味わう。予選は最下位。決勝ではスターティンググリッドに着く前にマシンが故障した。
今の彼は、チームの控え役に徹している。「毎戦こうして顔を出すんだ」「副業は持っていない」
彼の父ヤンは、ルマン24時間に代表されるスポーツカーレースでシボレー・コルベットに乗っている。ところが、ルマン参戦の機会もマグヌッセンにはない。「もう空きシートが残っていないのさ」
「(ルマンは)おもしろそうだ」と話すマグヌッセン。「でも、まだ早いかな」
「もちろんレースには出たいさ。僕はまだまだ若い。あきらめないよ。今はちょっと退屈気味だけど、目標はあくまでF1だ」「辛抱強く待つ」
「今後もマクラーレンに残るかどうかは分からない。もしかすると、どこか他のチームにシートを探してくれるかもしれないからね。マクラーレン・ホンダの第3ドライバーでいれば、最高のチャンスに恵まれると信じている」
しかし、今年またMP4-30を運転できるかどうか分からないのも事実だ。
「そう願っているけどね」とマグヌッセン。「何日とはいわない。乗れるなら1日でも2日でもいい」