F1を面白くするために小細工をすれば結果的にF1を破滅に追い込むことになる、とメルセデスAMGの非常勤会長ニキ・ラウダが苦言を呈した。
昨年からメルセデスAMGが圧倒的な強さでF1を支配しており、これに対して大胆な手を打たなければF1は「破滅」に追い込まれるとレッドブルは訴えている。
こうした意見についてオーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙から聞かれたラウダは、次のように答えた。
「一言で言えば、トト・ヴォルフ(メルセデスAMGチーム代表)と私は勝つことに集中しているんだ」
「皆そのためにレースしているんだろう。ほかより速くなるために! ヒルシャーやフェニンガー(いずれもオーストリアのアルペンスキー選手)は、なぜスキーをするのか。それは、勝ちたいからだ」
「F1の政治になど誰も興味はない」
しかし、メルセデスAMGの優勝は決まっているようなものだから、ルールに手を加えてレースを面白くしたほうがよいという意見もある。
F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、予選にも決勝と同じポイントを与え、最速タイムを出したドライバーが12番手からスタートしなくてはならないというルールに変えれば面白くなる、と話している。
ラウダは「こうした議論はまったく理解できないね」と否定的だ。
「われわれは昨年最も優れていた。だから新シーズンの開幕戦でもやはり前にいて当然だ」
「あとはベッテルなどほかのドライバーがわれわれのリードを脅かす努力ができるかにかかっている。だが、人為的に操作をしてスポーツをより面白くすることなどできない」
「一度それを始めてしまったら、モータースポーツは死んでしまう」