バルセロナで行われた今年2回目のF1公式シーズン前テストの最終日22日(日)に、エンジン開発に関する「いいニュースと悪いニュース」がマクラーレン・ホンダに届けられた。
よいニュースとは、苦戦が続いているホンダが、2015年仕様のV6ターボ・パワーユニットの開発をあと2日余計に続けられるというものだ。
現在の規則によれば、2015年仕様のエンジンに関しては本来2月28日までにF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のホモロゲーション(認証)を受けなくてはならないことになっており、それ以後は一定の開発継続しか認められなくなる。
だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えたところによれば、今年の2月28日は土曜日であり、FIAの調査官が実際に認証手続きを行うのは週明けの月曜日(3月2日)となるという。つまり、ホンダでは最後のF1シーズン前テストの終了日となる3月1日(日)まではエンジンの開発をフルに続けることができるというわけだ。
だが、同時に悪いニュースも伝えられている。
今年はエンジンルールに抜け穴が見つかったことにより、各エンジンメーカーは32枚のトークン(開発引換券のようなもの)を用いてシーズン中も開発を継続することができることになった。だが、昨年から厳しいルールのもとに開発を続けてきたメルセデス、フェラーリ、ルノーとの公平を期すという観点から、FIAではホンダに関しては、開幕戦(オーストラリアGP/3月15日)の時点でライバルメーカーが残したトークンの平均値を基準とする範囲での開発継続を認めるという方針を打ち出していた。
これに対し、マクラーレンの最高責任者であるロン・デニスは、ホンダにもほかのメーカー同様の開発継続ができるよう、もっと多くのトークンを与えるようFIAに強く訴えていた。
しかし、FIAでは方針を変えるつもりはないようだ。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、パリに本部を置くFIAの関係者が次のように語ったと報じた。
「我々はすでに妥協案を示している。ホンダはそれで満足すべきだ」
「ルールには、ホンダが最大限のトークンを請求することを可能とするような根拠は何も書かれていない」とその関係者は付け加えている。
バルセロナテストでもトラブルが続き、最終日の22日にはフェルナンド・アロンソがクラッシュして病院へ運ばれるというアクシデントも発生したマクラーレン・ホンダ。2015年シーズンに向け、今週の26日(木)から行われる開幕前最後のテストで正念場を迎えることになる。