かつて1960年代から80年代にかけてフェラーリの開発責任者を務めていたマウロ・フォルギエリが、今季マクラーレン・ホンダに移籍したフェルナンド・アロンソを批判した。
伝説的なF1カー設計者であるフォルギエリは、ニキ・ラウダ(現メルセデスAMG非常勤会長)やジョディー・シェクターといったドライバーを擁して数度のドライバータイトル、コンストラクタータイトルをフェラーリにもたらした人物だ。
そのフォルギエリが、2010年にフェラーリに加入したものの、ついに3度目のF1タイトルを獲得することができないままマクラーレンへの移籍を決めたアロンソについて、その責任を単にフェラーリに負わせるのは間違いだとイタリアのウェブサイト『diariodelweb.it』に次のように語った。
「もし、3シーズンか4シーズンにわたってクルマが同じような問題を抱えていたとすれば、それは正しい方向性での開発が行われていないということを意味するものだし、それはドライバーの責任でもあるんだ」
そのアロンソに関しては、今日のF1ドライバーの中では最高の実力の持ち主だと考えている者が多い。しかし、フェラーリでタイトル獲得ができなかったアロンソは、かつて2007年には関係がこじれて1年で契約解消をしたという経緯があるマクラーレンへの復帰を果たしている。
マクラーレンのチームCEO代理であるジョナサン・ニールは、『Mirror(ミラー)』に次のように語った。
「前回のフェルナンドと我々の関係に関してはさまざまな憶測が報じられてきた。だが、我々はそのことはなかったこととして、やり残した仕事を片付けるためにまた手を組んだんだと自信を持って言えるよ」
だが、フォルギエリは、果たして今回はアロンソがマクラーレンでうまくやれるかどうか疑問を抱えているようだ。
「アロンソは素晴らしいレースドライバーだ。だが、テストドライバーとしてはいいとは言えない」
「毎年、彼が新車を走行させたときにはすべてが完ぺきだと言っていた。だが、2、3か月もすれば文句を言い始めていた。本当のチャンピオンというものはチームをうまく束ねることもできるものだよ」
フォルギエリは、かつてフェラーリに黄金時代を築いたミハエル・シューマッハとアロンソは比較の対象にもならないと次のように付け加えた。
「ここ数年のフェラーリの問題は、シューマッハのようなドライバーがいなかったことだ」