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「ベッテルはF1引退を考えていた時期もあった」とかつてのボス

2015年01月28日(水)20:11 pm

レッドブルで2010年から2013年まで4年連続でドライバータイトルを獲得したセバスチャン・ベッテルだが、昨年は、フェラーリへの移籍を決めるまでにはF1を引退することさえ考えていたという。

これは、連勝を続けていた時期のベッテル、そして2014年シーズンには大きな不振に陥ることとなったベッテルをすぐそばで見つめ続けてきたレッドブルのチーム代表、クリスチャン・ホーナーが語ったものだ。

昨年、ベッテルは新たに導入されたV6ターボを搭載したF1カーになかなかなじむことができず、トロロッソから昇格してきたチームメートのダニエル・リカルドが3勝を挙げる活躍を見せる一方、ついに一度も表彰台の真ん中に立つことなくシーズンを終えていた。

「彼(ベッテル)が満足できていないのは分かっていた」

27日(火)に、レッドブルが開催したイベントにおいてリカルドや、今年からそのチームメートとなるダニール・クビアトとともに記者会見に臨んだホーナーはそう語ると、次のように続けた。

「(ベッテルは)“自分は思っていたように楽しめているだろうか?”という気持ちを抱えていたんだ」

「まるでオモチャを取り上げられた子どものようだったよ。彼はF1が進もうとして方向性に幻滅を感じ続けていた」

「昨年、彼にはやめようかと悩んでいた時期もあったんだ。同じようなレベルで楽しめるようになるだろうか、あるいはこのまま続けたいと思えるかどうだろうか、と考えていたよ」

ホーナーは、27歳となるベッテルも最終的には新しいF1を理解できたものの、同時に2015年にはフェラーリへ移籍するという意志を固めていたのも事実だと次のように続けた。

「セバスチャンは、自分のキャリアにおいて今がそのタイミングだと感じたのだと思う。新しいことに挑戦するという刺激が必要だったんだ」

だが、そのベッテルが再びF1に対する情熱を傾ける場として、フェラーリがそれにふさわしいとは思えない者も少なくはない。とりわけ、過去数か月にわたるフェラーリの混乱ぶりを見れば、そうした不安がよぎるのは無理もないことだろう。

2014年シーズンを圧倒的な力で支配したメルセデスAMGのニキ・ラウダ(非常勤会長)は、そのメルセデスAMGの成功は一夜にして訪れたものではないと主張し、「フェラーリでさえ、4年はかかるだろう」と語っている。

かつて3度獲得したF1タイトルのうち2回をフェラーリ時代に達成した経験を持つラウダは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、もしもフェラーリの復活にさらに時間がかかることが見えてくるようなことがあれば、「セバスチャンも政治的な動きやメディアの取り上げ方などによるプレッシャーを受け始めるだろう。フェラーリでは、そうしたことはレッドブルにいたころに比べて2倍もひどくなるだろうね」と付け加えた。

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