7度F1チャンピオンに輝いた元F1ドライバーのミハエル・シューマッハがスキー事故で重傷を負ってから1年が経過しようとしている。そのシューマッハに関して、自らも身体に障害を抱える元F1ドライバーのフィリップ・ストレイフが行った発言に対し、シューマッハ関係者が反論を行った。
1989年シーズン開幕前のテスト中の事故で脊髄(せきずい)に損傷を負い、今も車いす生活を余儀なくされているストレイフは、28日(日)に『Le Parisien(パリジャン)』に対し、シューマッハはまだ会話をすることができないものの、「身近な者を認識し始めている」と語った。
そして、シューマッハの今後に関してストレイフは、「長い時間が必要だろうが、彼がいつか松葉づえを使って歩くことも期待できるかもしれない」と付け加えた。
ストレイフは、こうした情報はシューマッハの妻であるコリーナとFIA(国際自動車連盟)に所属するジェラール・サイヤン医師から聞いたものだとしている。
だが、サイヤンは、FIAの広報担当者を通じて『AFP通信』に対して、次のように述べ、このストレイフの発言を否定している。
「この1年の間、私はフィリップ・ストレイフと会話を交わしたこともなければ、文書のやりとりをしたことも、直接会ったこともない」
さらに、シューマッハのマネジャーであるザビーネ・ケームも、ドイツの『Bild(ビルト)』紙に次のようにコメントを行った。
「どうしてフィリップ・ストレイフがこうした発言ができるのか不思議に思うだけです。彼がサイヤン教授やコリーナとまったく接触していないのは明らかですから」
「さらに、ストレイフ氏とミハエルが友人関係であったというようなこともありません」
そのケームは、シューマッハの現在の状況に関する質問に対して、『Reuters(ロイター通信)』に次のように答えている。
「長い時間が必要です」
「長い時間をかけた懸命な戦いが続くことになるでしょう」
そう語ったケームは、次のように付け加えた。
「彼は回復をしていますが、それは状況の厳しさに応じたものです」