これまでF1においてサーキットでのテストが制限されていることを批判していたフェラーリだが、その姿勢を大きく方向転換させた。
F1がコスト削減を目的として公式テストおよびプライベートテストの実施を大幅に制限して以来、フェラーリでは一貫してこのルールに対して強く反対し続けてきていた。
だが、フィアット・クライスラーのセルジオ・マルキオンネが新たに最高責任者の座に座り、元マールボロの取締役であったマウリツィオ・アリバベーネをチームの新代表に迎えたフェラーリは、そのルールに対する考え方を大きく変えたようだ。
22日(月)にメディアとの記者会見に臨んだマルキオンネは、テストに関するフェラーリのスタンスについて次のように語った。
「我々はそれに関する話し合いを行ってきた」
「だが、サーキットでのテストが再導入されることはないだろう」
フェラーリがこれまでと姿勢を変えたのは、「テスト禁止時代」を迎えて以来、チームが行ってきた巨額の投資と関係があるかもしれない。それは、例えば最新式のシミュレーターの導入といったものだ。
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、フェラーリ本部があるマラネロでは、1月中旬に最新式の施設が稼働を始めることを明らかにしている。
だが、マルキオンネは、今回のフェラーリの姿勢変化について次のように説明を行った。
「これ(自由なテストを許容すること)に関するコストは、すでに予算超過状態となっている複数のチームにとっては悪影響を及ぼすものとなるだろう」
「この種の活動(テスト自由化)を行うことは、すでに非常に深刻な状況に陥っているいくつかのチームにとって、さらにそれを悪化させることにつながるだけだ」
そう述べたマルキオンネは、次のように締めくくった。
「それは全体的な状況としても、決してかんばしいことではない」