レッドブルは、先週末に開催された今季のF1最終戦アブダビGPで、ダニエル・リカルドとセバスチャン・ベッテル両者のフロントウイングに規定違反があったとして予選結果を抹消され、決勝は2人ともピットレーンからのスタートとなっていた。
【結果】F1最終戦アブダビGP予選の順位、Q1-Q2-Q3のタイム
だが、フォース・インディアのテクニカルディレクターであるアンドリュー・グリーンは、あのレッドブルの違反は本来であれば出場停止処分が下されてもおかしくないものだったと主張している。
アブダビGPの競技委員は、予選後にレッドブルのF1カーに装着されていたフロントウイングが変形し過ぎる仕様になっていたとし、稼働パーツの使用を禁止する条項に違反していたと判断。レッドブルの予選結果を抹消処分としたものの、決勝ではピットレーンからのスタートを認めていた。
だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、そのときF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が目にとめたのは、単に変形の度合いが大きいということだけでなく、その中に埋め込まれたスプリングによって曲がり具合がコントロールされるように設計されていたことだったと指摘している。
アブダビで予選結果抹消の処分を受けたレッドブルのエイドリアン・ニューイ(テクニカルディレクター)は、「ほかのクルマはもっとひどかったじゃないか。例えばウィリアムズもそうだ」とコメントしていた。
しかし、ウィリアムズはアブダビで使用していたウイングは非合法なものではなかったと主張している。
一方、グリーンは、レッドブルは明確にそれがルールに違反すると分かっていながら故意にその仕組みを取り入れていたものだと指摘し、次のように続けた。
「もしそれが我々だったとしたら、秘密の燃料タンクを設けていた2005年のBARのようにレースから除外されていただろう」
「レッドブルは単にピットレーンからのスタートとされただけだった。あの違法なウイングに対するペナルティーは、ロータスがルールに基づいて行ったエンジン交換によってロマン・グロージャンが受けたペナルティーに比べれば軽過ぎるものだったよ」
ロータスのグロージャンは、今季最終戦でルールに定められた5基をオーバーする6基目のエンジンコンポーネントに交換を行ったことにより20グリッド降格処分の対象となった。しかし、現実的には実際に20グリッド降格させることができず、なおかつ最終戦ということでペナルティーの未消化分を次のレースへ持ち越すこともできなかったため、グロージャンはレース中のドライブスルーペナルティーも併せて科せられていた。
アブダビでのレース週末の間、フォース・インディアのチームオーナー兼代表であるビジェイ・マリヤは、ツイッターにレッドブルは「ずるをしている」とのツイートを行っていた。