今週末のF1最終戦アブダビGP(23日決勝)に3レースぶりに復帰することになったケータハムだが、現在、小林可夢偉とともにもうひとつのシートに誰が座ることになるのかということの興味が集まっている。
ドイツの『Bild(ビルト)』紙が伝えた最新の情報では、2012年にF1を引退したルーベンス・バリチェロがすでにアメリカGP(第17戦)、ブラジルGP(第18戦)、そして今週末のアブダビでレースシートを得て「最後のお別れパフォーマンス」を見せるための十分なスポンサーを集めていたと報じている。
ほかにも数名のドライバーの名前がうわさされているが、最終的に誰が可夢偉のチームメートとなるのかについては、もうすぐ明らかとなるはずだ。
だが、そうしたドライバーのうわさのかげで、ケータハムのF1出場復帰に関して不安視する声もささやかれている。
ケータハムがインターネットと通じてクラウドファンディングと呼ばれる手法でファンから参戦資金の調達を試みたことに関し、F1のイメージを損ねることにつながったと考える者も多い。
例えば、ほかのチームではF1カーにロゴを掲載することで国際的な企業から巨額のスポンサーマネーを受け取っている。だが、アブダビへの出走準備を進めているケータハムのF1カーには、ほかのスポンサーたちに交じってイギリスの小さなパブであるウィンドミル・インのロゴなども表示されることになっている。これは、一部のF1関係者からすればまゆをひそめたくなるような事実だろう。
そればかりではない。アブダビでの出走へこぎつけたものの、チームの清算手続きを行っている管財人は、230人におよぶチームスタッフを解雇している。
ケータハムの元空力担当者であったジム・マクマナスは、『Witney Gazette(ウイットニー・ガゼット)』に次のように語った。
「それに関する話し合いは行われなかったようだ」
「だが、我々は一方的にそういう立場に置かれてしまったみたいだね。従業員の意見など全く聞かれてもいないと思う」
ケータハムでは、今週末のアブダビGPにおいてもクルマのスペアパーツ不足が懸念されているとともに、仮に来季のエントリー資格を保持できたとしても、来季用F1カーの開発能力があるのかどうかについても疑問視されている。