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「金」の話題に明け暮れながらシーズン最終戦を迎えるF1

2014年11月12日(水)17:02 pm

今季もいよいよダブルポイントでの戦いとなる最終戦アブダビGP(23日決勝)を残すのみとなったが、F1界においては「金(カネ)」にまつわるいくつかの問題が依然として未解決のまま残されている。

■ケータハムとマルシャを救う資金提供者は現れるのか?

マノーという名前で2015年の暫定エントリーリストに名前が載っているマルシャだが、すでに正式に取引停止となり、スタッフたちも解雇されている。それでも、いまだにチーム存続の可能性を求めてアブダビでのレース復帰を可能とするために投資家たちとの交渉が続けられているという。

マルシャ同様にチーム再建手続きに入っているケータハムは、さまざまな批判を受けてはいるものの、すでにインターネットを通じたクラウドファンディング手法により、アブダビに出走するために必要な資金である約370万ドル(4億2,800万円)の半分以上を調達するめどが立っている。

さらに、ケータハムではアブダビで金曜フリー走行への出走を望んでいるイギリスの女性ドライバー、アリス・パウエルの祖父による申し出を受け入れることにより、さらに5万5,000ドル(約640万円)の追加資金を得ることになるかもしれない。

「管財人から前向きな回答が来ることを本当に規定しているよ」

パウエルの祖父ジム・フレイザーは、『Daily Mail(デイリー・メール)』紙にそう語っている。

だが、こうした努力にもかかわらず、もしマルシャとケータハムがアブダビへの出走がかなわず、チームの消滅が確定するようなことになれば、来季の出走台数が減ってしまうことが確定してしまう。そして、トップチームにそれぞれ3台ずつをエントリーさせるというアイデアを推し進めるべきだとの声もさらに大きくなることだろう。

■F1オーナーによるさらなる資金投入はあるのか?

現時点では、各F1チームはF1最高責任者であるバーニー・エクレストンと、F1の筆頭株主であるCVC(キャピタル・パートナーズ)のドナルド・マッケンジー会長からの回答を待っている状況だ。

エクレストンとマッケンジーは、F1運営のために資金をさらに投入することを検討していると伝えられている。だが、実際にその資金を受け取るのが誰になるのかは明らかとされていない。

エクレストンは、先週末F1ブラジルGP(第18戦)が開催されたサンパウロにおいて、ロータス、ザウバー、フォース・インディアといった小規模F1チームたちが、それによって力を増し、「戦える状態とするための資金」を手にすることはないだろうと次のように語っていた。

「我々はこうしたチームたちに十分に与えているよ。彼らが望むような形で生き残るには不十分かもしれないが、単に生き残るためには十分だ」

「今後の進め方は非常に簡単だよ。金を使い過ぎなければいいんだ」

■トップチームが3台体制を可能とするための資金は?

もうひとつ実現可能と思われる対策もある。それは、規模が大きく、安定性の高いチームへさらに多くの金額を分配することだ。このアイデアについては当初は好ましいものとは受け止められていなかった。しかし、そうすることで有力チームは3台目をエントリーさせることが容易となり、そうなればグリッドのF1カーの数も安定することになる。

フェラーリはすでに来季から3台目のF1カーを走らせることに合意したと言われている。だが、レッドブルでは現時点で予想されるそのコストの面から、あまり前向きな姿勢を見せてはいない。

レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、「(3台目を走らせるには)3,500から4,000万ユーロ(約50~58億円)ほどかかる」と語り、CVCにその分の費用を負担するよう求めている。

ホーナーはさらに、イタリアの『Tuttosport(トゥットスポルト)』に対しても「我々の現状の予算では3台目を走らせることはできないし、現時点ではそのつもりはないよ」と語っている。

一方、メルセデスAMGでは3台目を走らせるという考えにはまったく乗り気ではない。だが、非常勤会長であるニキ・ラウダは次のように語った。

「金の分配をどうするかということが、何よりもまずCVCが手掛けなければならないことだ」

「我々には何もできないし、ただどういう案が出てくるか待つだけだ。もしCVCが妥当な計画を示せば、我々も話をすることができる」

そう語ったラウダは、次のように付け加えた。

「(顧客となる)チームに無償でエンジンを供給するようなことさえね」

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