ロータスのロマン・グロージャンが、現在の契約には解除条項が設けられており、トップチームへの移籍のチャンスがあれば、これを使ってシーズン終了とともにチームを離脱することも可能だと明かした。
昨年は表彰台に上る活躍も見せただけに、戦闘力に欠ける今季のロータスF1カーに対して不満が募っていることは誰の目にも明らかなグロージャン。現時点ではロータスと来年の契約を結ぶ前に、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の動向が明らかとなり、それによってトップチームへの移籍の可能性が出てくるかどうか様子を見ている状態だ。
グロージャンが狙っているのは来季からホンダエンジンを搭載することが決まっているマクラーレンだと考えている者も多い。昨年までロータスでチーム代表を務め、自身のマネジメントも担当していたエリック・ブーリエがレーシングディレクターとしてチームを率いていることもグロージャンにとっては心強いはずだ。
母国フランスの『RMC』から、ロータスが来季からルノーエンジンに替えてメルセデスエンジンを搭載することになれば有利になると思うか、と尋ねられたグロージャンは次のように答えている。
「実際のところ、このプロジェクトには賛成だよ」
「5月か6月ころから、僕はずっと叫び続けていたんだ。2015年のロータスは2014年よりも改善されなくてはならないとね。そしていろんなことが正しい方向に向けて実行に移された」
「僕がロータスに残ればいいチャンスも出てくるだろう。でも、まだいくつかほかの選択肢も残っている。これ以上は言わないけれどね」
そのグロージャンは、F1アメリカGP(11月2日決勝)が開催されるオースティンで30日(木)に行われた記者会見の席上で、ロータスがこのレースで2015年仕様となるメルセデスAMGスタイルのフロントノーズのテストを行うことを認め、それは今後のロータス復活に向けた「強いサイン」だと語った。
さらに、グロージャンは現在の契約に関して次のように続けた。
「僕にはチームとの契約があるけれど、僕が望めばチームを去ることができる選択肢もあるんだ。これはパフォーマンス条項によるものだけどね」
「ここまでのところ、まだトップチームのシートも残されているみたいだ。まだ彼らは正式発表していないからね。そして、僕は近いうちにそういうチームに行きたいと思っているし、そのために頑張っているんだ」
さらに、やはりオースティンで行われたF1公式サイトによるインタビューにおいても、グロージャンは「チームから出ていくという選択権」を持っていることを繰り返し主張し、次のように語っている。
「僕が、より大きなチームの一員となりたいと考えていることは秘密でも何でもないよ。フェラーリやマクラーレン、そしてメルセデスAMGのようなチームのね。その中にはまだ2015年のドライバー体制を発表していないところもあるから、2015年に、あるいは遅くとも2016年にはそういうチームに加わりたいという希望をまだ持ち続けているんだ」
「もし(ロータスに)とどまることになっても満足だよ。多分、何度かまた(表彰台で)シャンパンを味わうことができるようになると思っているからね。でも、僕はF1チャンピオンになることを目指しているし、それを達成するには移籍することが必要なんだ」
アロンソの次の動きを見守っているグロージャンだが、2015年に向けてトップチームに3台エントリーが認められることになる可能性についても目を向けている。最近ケータハムとマルシャのチーム運営が行き詰まり、2チームが減少することになったことで、3台エントリー実現の可能性が高くなってきていると言われている。
「もし、いいチームで(3台目のクルマに)乗れて、スーパースターと呼ばれるようなドライバーたちと同じクルマでレースができるようになれば、自分にどれほどの力があるかということを示すチャンスになるし、僕もそういうスーパースターの仲間入りができるようになるだろうからね」
ほほ笑みながらそう語ったグロージャンは、次のように付け加えた。
「3台エントリーは、何人かのドライバーにとってはいい評判を得るためのチャンスになるだろうね」