現在、3人のF1チャンピオンと来季の契約を結んだ状態となっているとされるフェラーリだが、その1人であるフェルナンド・アロンソの今後に関するうわさがさらに過熱している。
いくつかの報道によれば、フェラーリとアロンソは今お互いに銃口を向けながら身動きができないような状態となっていると伝えられている。金銭面の問題から、それぞれが相手に先に契約解除の動きを取らせたいと考えているためだという。
また、中には来季から3台エントリーが認められる可能性があることを踏まえ、2015年には現在のアロンソとキミ・ライコネンに加えて、セバスチャン・ベッテルの3台体制で走らせるつもりのようだと考えている者もいる。
そんな中、かつてフェラーリでドライブしたこともある元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、フェラーリではアロンソとの契約が行き詰まったことを最大限にいい方向へとつなげるために、アロンソをそのまま確保し、代わりに今季不振の目立つライコネンとの契約を解除すべきだと考えている。
ベルガーは、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「もし私がフェラーリなら、アロンソを確保しておくだろうね」
「そうすれば、アロンソとベッテルという世界でも最高レベルのドライバー2人をひとつのチームで確保することができる」
だが、そうなるとフェラーリでは、まさに2010年にアロンソを獲得したときに巨額の補償金を支払ってチームを追い出したライコネンに対して、また同じことをしなくてはならない。
こうしたフェラーリとアロンソのにらみ合いの状況が続く中、ベッテルのほうはこの件に関して完全に沈黙を守っている。
ベッテルは、今週末F1アメリカGP(11月2日決勝)が開催されるアメリカのオースティンで29日(水)に『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対して次のように語った。
「申し訳ないけれど、僕の今後のことについては何も話せないんだ」
「僕にどうこうできるわけじゃないけれど、すぐに話ができるようになることを期待しているよ」
ベッテルはさらに、レッドブルが最終戦アブダビGP(11月23日決勝)の翌週に行われる公式テストにベッテルがフェラーリから参加することを妨げたと報じられていることに対し、それは理解できると次のように語った。
「そういう判断をするだけの理由があるからね」
「がっかりしたかって? 何か違うことを期待したりはしていなかったとだけ言っておくよ」