今週末に開催されるF1アメリカGP(11月2日決勝)は、ケータハムとマルシャが抜けることにより、出走するF1カーが一気に4台減って18台で争われることになる。
2012年からオースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズでF1レースが開催されるようになってからは、そのレイアウトの素晴らしさによりF1ドライバーたちの評判もよく、観客席にも大勢のファンが詰めかけたことで大きな成功を収めたとされている。
■これまでにも問題が多かったアメリカGP
だが、これまで、F1とアメリカとの関係は必ずしもうまくいっていたとは言えない。2005年にインディアナポリス・モータースピードウエイで開催されたレースでは、ミシュランタイヤの安全性に懸念を持ったチームが決勝スタートと同時に棄権してしまい、わずか6台で決勝レースが争われたという前代未聞の出来事も起きていた。
そして、今週末のアメリカGPでもまた出走台数が目立って少ないという状況を迎えてしまう。
さらに、ケータハムとマルシャの4台が減ることに加え、4年連続F1チャンピオンのセバスチャン・ベッテルも予選に出走しないものと見られている。
ベッテルは、今季ルールで認められた5基のエンジンをすでに使い果たしてしまい、アメリカGPでは6基目のエンジンを使うことになる。このため、ベッテルは予選への出走を見合わせ、決勝をピットレーンからスタートすることになりそうだ。
以前からこのエンジンルールに対して批判的な発言を繰り返していたベッテルだが、29日(水)には皮肉をこめて次のように語っている。
「もちろん、シーズンの初めに信頼性の問題を抱えたことで、エンジンを食いつぶさなくてはならなくなったのは僕たちの失敗だよ」
「それがルールだからね。僕がそのルールを作ったわけじゃないけど、誰もがそれを尊重するしかないんだ」
■予選Q1で脱落するのは1台だけ?
ともあれ、ベッテルが予選に出場しないということになれば土曜日に行われる予選セッションには17台が出走するのみとなり、現在のルールが制定されて以来の事態を迎えることになる。もし現在のルールをそのまま適用して予選を行えば、Q1で脱落するクルマはわずかに1台だけということになってしまうためだ。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が定めた予選ルールは、出走するF1カーが26台、24台、22台、そして20台の場合を想定して制定されたものだ。ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、参加チームが9チーム(18台)となった場合のことはどこにも書かれていないと指摘している。
■「適切な修正を検討する」とFIA
これに関し、FIAのF1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングは、オースティンでの予選の進め方に関しては、レギュレーションによって許容される範囲で「適切な修正」を行うことになるだろうと語っていた。
現時点でのうわさでは、Q1とQ2でそれぞれ4台ずつがノックアウトされる形にルールが修正されることになるのではないかと言われている。だが、そのルール修正については競技委員の承認が必要となるため、ルールが修正されるのかどうか、どういう形に修正されるのかということについては、早くても現地時間30日(木)にならないと正式に確定することはないと見られている。