F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、崩壊の危機が伝えられるケータハムに関して冷たい反応を示した。
「彼ら(ケータハム)は(F1から)出ていったほうがいいと思う」
ビジネス記者であるキャロライン・リードを通じて『Sun(サン)』紙にそう語ったエクレストンは、さらに次のように続けた。
「物ごいをするようなまねはして欲しくないからね」
このエクレストンのコメントは、イギリスのリーフィールドにあるケータハムのファクトリーの管財人が、F1アメリカGP(11月2日決勝)のためにクルマをファクトリーから持ち出すことを拒んだということが報じられたことを受けて語られたものだ。
22日(水)にケータハムが出した声明には、前オーナーでありチーム設立者であるトニー・フェルナンデスが新オーナーに対して株式の譲渡を行わなかったことにより「本来買収したはずの法的所有権がないまま不当な立場に置かれている」ことを非難するコメントが記載されていた。
財政的に苦境に立たされていたケータハムF1チームをスイスに拠点を置く中東系投資家グループに売却したとされていたフェルナンデスは、これに対し、自身のツイッターを通じて「もし何かを買えば、そのための支払いをしなくてはならないんだ。極めて簡単なことだ」と反論している。
管財人であるフィンバー・オコーネルは、『Speedweek(スピードウィーク)』に対し次のように述べた。
「明らかに、トニー・フェルナンデスがこのビジネスを売却した相手は、それを賄うだけの資金を有していない」
今季、あと3戦を残す段階でケータハムは崩壊寸前の状況を迎えたことになる。
ケータハムも、管財人がF1カーを差し押さえ、ファクトリーに警備員を配置するなどの行為に出たことで「F1チームとしての活動に壊滅的な影響を及ぼしている」ことを認めつつ、次のように続けている。
「この3か月間、ケータハムF1チームの運営は誠実に行われてきた。だが、現在は管理チームの撤退も含めた選択肢を検討することを余儀なくされている」
そう声明に記したケータハムは、今後フェルナンデスを含む関係者に対し法的措置を取ることもほのめかしている。
『Reuters(ロイター通信)』は、ケータハムのチーム代表であるマンフレディ・ラベットが、もはやケータハムの運営に関しては自分の手から離れたことを認めたと報じている。
そうした中で、エクレストンは今回のケータハムの件には一切かかわるつもりはないと断言した。
「誰が彼ら(ケータハム)を所有しているのかなど知らないよ。知りもしないし、気にもしていない」
そう語ったエクレストンは、次のように付け加えた。
「ひとつ言っておこう。彼らは自分たちに都合のいいことしか話そうとはしないだろう」