FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、F1日本GP(第15戦)決勝で起こったジュール・ビアンキ(マルシャ)のクラッシュに関して、冷静な対応を求めた。
10月5日(日)に行われた日本GP決勝でビアンキが作業中のクレーン車に激突した事故に関し、その責任がどこにあったのかという推測がメディアをにぎわせている。特に、イタリアのメディアには強い論評を行う傾向が見られる。
これに関し、トッドは次のように語った。
「世界には200もの国がある。それぞれに考え方も違ってくるものだ」
「イタリアのメディアにはこうした反応が見られるが、ドイツやイギリスでは状況が異なっている」
「だから、委員会(による調査)を待とう」
トッドの言う委員会とは、鈴鹿でのビアンキのクラッシュについて、発生前、発生時、発生後に実際に何があったのかということを徹底的に調査し、F1がこれにどのように対処すべきかを検討するために設けられた事故調査委員会のことだ。
「判断を下す前に調査結果を待とうじゃないか」とトッドは付け加えた。
さらにトッドは、あのクラッシュに関するいくつかの事実は「後から考えれば明らかだが、運命によって劇的な結末を迎えることもあるものだ」と語り、次のように続けている。
「あの事故の後でも言ったが、今回は恐ろしい事故が起こってしまったものの、これまで何年にもわたってこうしたことは起こっていなかった」
「だが、それは当然のことではなかった。それは奇跡だったんだ。我々は安全に関しては決して油断をしたり、手を緩めたりしてはならない」
一方、現在FIA会長として2期目を迎えている68歳のトッドは、3選を目指すつもりかとの質問を受けると、次のように答えた。
「まだ39か月も(任期が)残っている。だが、私ももはや若くはないよ」