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F1が日本GPの映像を公開しないのはビアンキを守るため?

2014年10月09日(木)20:24 pm

鈴鹿サーキットで行われた先週末のF1日本GP(第15戦)から数日が経過したが、F1公式サイトにはいまだに日本GPのダイジェスト映像が公開されないままとなっている。

うわさではF1の商業権を持つFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)はジュール・ビアンキ(マルシャ)が作業中のクレーン車に激突したときの模様をコース脇に設置された高解像度カメラで撮影していたと言われているが、もちろんその映像が公開されるようなことはないだろう。

インターネットの動画サイトには観客が撮影した事故の映像が広まっているが、FOMのリクエストにより、繰り返しその動画が削除される状況となっている。FOMでは、表向きは著作権侵害のためということをその削除要請理由にあげていると伝えられている。

だが、F1と、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が公式映像の公開をためらっているのは、ビアンキの事故が起きた状況に関してさまざまな批判の声もあがっている中、それをさらに刺激してしまうことを恐れているのではないかとのうわさもささやかれ続けている。

あのような雨のコンディションでレースを続行したこと、夕闇が迫り始めていたにもかかわらずレースを続行したこと、そして台風18号の接近によるレース開始時刻繰り上げが議論されたもののこれが退けられたこと、そして、F1競技委員長のチャーリー・ホワイティングはスーティルがクラッシュした時点ですぐにセーフティカーを導入すべきではなかったのか、などといったことについて批判的な論調があるのは事実だ。

しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌の記者であり、誰もが一目置く存在であるミハエル・シュミットは、FOMが公式映像を公開しない理由はひとつだけだと主張している。

それは「事故の被害者への配慮」のためであり、ビアンキ本人、そして何よりも彼の回復をすがるような気持ちで願っている彼の両親や家族のことを考えてのことだという。

だがシュミットは、映像公開が見送られているのは、単にビアンキ関係者への心情的な配慮のためだけでなく、より積極的にビアンキの立場を守るという意味もあるとしている。

シュミットは、事故が起きた状況を示す映像が公開されれば、ビアンキが「黄旗が振られている状況下でスピードを出し過ぎていた」ためにクルマのコントロールを失ってしまったことがあの事故に至った原因であることが示されることになると主張し、次のように続けた。

「F1は自らを守ろうとしているのではなく、ジュール・ビアンキを守ろうとしているのだ。事故の映像やテレメトリーのデータは、あの事故の責任はドライバーにあったということを示すものになるかもしれないからね」

さらに、シュミットはF1幹部による次のようなコメントを引用している。

「それ(情報を開示すること)は、ビアンキにとって不公平なことになるだろう。現在、彼は自己弁護ができないのだから」

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