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それでもF1をあきらめない、サインツJr.

2014年09月30日(火)6:58 am

突如、すい星のようにF1ドライバー市場に名乗りを上げ、あっという間にトロロッソのシートをさらった驚異の十代マックス・フェルスタッペン。そのあおりで辛い二、三ヶ月を過ごしたのがレッドブル育成ドライバーの筆頭、カルロス・サインツJr.だ。

その彼は先週末に南仏ポール・リカールで行われたフォーミュラ・ルノー3.5シリーズ第8戦、第1ラウンドと第2ラウンドの両レースを制し、タイトルまであと一歩まで迫った。

レッドブルの若手ドライバーで次にF1進級を果たすのはサインツJr.と考えられていたが、先月、フェルスタッペンがトロロッソの2015年ドライバーに決まった。サインツJr.は選考の対象にもならなかったのだ。

30日(火)にようやく17回めの誕生日を迎えるフェルスタッペン。彼がトロロッソ入りしたのは、レッドブルの若手育成プログラム責任者、ヘルムート・マルコ博士の目に留まったからだ。フェルスタッペンの才能はアイルトン・セナ並みと、べたぼめである。

スペイン『El Confidencial(コンフィデンシアル)』紙のインタビューを受けたサインツ。フォーミュラ・ルノー3.5でダブル優勝したポール・リカールは、全レースキャリア中、最重要レースだったのではとの問いに、彼は長い沈黙を置いて次のように答えた。

「そうかもしれないね」

フェルスタッペンのトロロッソ登用には異論も出た。今回の圧勝でレッドブルに多少のメッセージを送ることができたと思うかとの質問には、こう返している。「そう、少しそんな気持ちもある」

「もし疑いを抱かれたなら、実力に変わりはないところを見せないとね。逆境を克服できると示すんだよ」

サインツJr.は、9月中旬に行われた第7戦ハンガロリンク当時を振り返って次のように語った。「ブダペスト後の数日は精神的にきつくて、前向きでいるのは難しかった」

「頭では分かっていても、心はそれ(来季トロロッソのシートがフェルスタッペンに決まったこと)を簡単に受け入れてくれなかった。憂うつな夏だったよ」

フェルスタッペンのトロロッソ決定後、ラリー界で伝説的な存在の父カルロスに伴われたサインツJr.はマルコと会い、将来も育成プログラムを続ける方向で両サイドが合意した。

ポール・リカールの結果はこれに何らかの変化を生むだろうか。サインツJr.は次のように話す。「先週末の優勝がレッドブルにとってどんな意味があるのか分からないが、僕としては、自分のモチベーションを保てて、いい気分だ」

「もし次戦ヘレスで(タイトルを)取れたら、レッドブル所属ドライバー初の出来ごとで、シリーズ最年少チャンピオンになるんだ。しかもシーズン最多勝記録のおまけつきさ」

「そうなったら、僕は将来に向けて大きな自信を得られる」

それに、2015年F1シートに結びつくかもしれない。

彼は以前、ケータハムと交渉を持ったほか、来季F1は3台チーム体制の話もある。また、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が退団、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がスライド移籍すれば、レッドブルとトロロッソのドライバー再編成もあり得る。

そんな『El Confidencial(コンフィデンシアル)』の問いかけに、サインツJr.はクスクスと笑う。

「僕には、自分の将来を人に預けるような真似はできない。頼れるのは自分だけだ。ポール・リカールも、そのつもりで戦った。レースというレースに勝って僕の実力をなんども見せつけるのさ」

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