NEXT...F1開催スケジュール

「悪夢のような」無線通信制限ルールは見直すべきだとメルセデスAMGのボス

2014年09月24日(水)19:32 pm

メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、先週末のF1シンガポールGP(第14戦)は、レース前に導入された無線通信を制限する新ルールを見直すべきであることを証明するものだったと考えている。

無線通信内容を制限するルールは、チームからの異論が続出したこともあり、最終的にはシンガポールGPの金曜フリー走行の前になって、今シーズンの残りのレースに関しては、ドライバーを「指導」する内容に関して禁止をするという形に妥協されたものが施行されていた。

だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)では、2015年シーズンには最初からドライバーの“パフォーマンス”に関連するすべてのメッセージ伝達を禁止することを計画している。その中には、ドライバーに対してさまざまなシステム類の使い方をサポートするような通信も含まれる見込みだ。

■シンガポールでのトラブルはよい事例になった

だが、ヴォルフは、シンガポールGPでニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)のクルマに起こったステアリングホイールの電気系トラブルは、F1にとってそのルールの見直しが必要であることを証明するものになったと語った。

また、シンガポールでは、レース後にレッドブルがダニエル・リカルドに対して暗号化した違法なメッセージを伝えていたとマクラーレンが非難するという事態も発生していた。

しかし、ヴォルフは21日(日)に行われた決勝では、メルセデスAMGもそういう指摘を受けてもおかしくない状況となっていたかもしれないと次のように語った。

「我々が(無線で)伝えている内容が許される範囲のものなのかどうか、相談しなくてはならない場面が何度もあったよ。だから、いくつかのメッセージに関しては、さらに確認が必要になると思う」

■当初の計画通りに施行されたら「悪夢」

ヴォルフは、2015年からの無線通信制限ルールに関しては本当に心配だと次のように続けた。

「もしそれ(通信内容の制限)が、もともと提案されていたような形で実行に移されたら、もはや悪夢のような状態になるだろうね」

「今回の状況において、ドライバー(ロズベルグ)に対していかなるメッセージも伝えられなかった場合のことが想像できるかい?」

「ステアリングディスプレイから何の情報も得られなくなったドライバーとどうやってコミュニケーションをとればいいんだい? それは安全の問題にもかかわってくるんだ」

そう語ったヴォルフは、この無線通信内容の制限に関するルールについては、さらに検討していくことが必要だと次のように続けた。

「多分、シンガポールのレースで起こったことはすべて、今後無線でのメッセージに関する決定を下す際に参考とすべきものとなるだろう」

「私は、チャーリー(ホワイティング/F1競技委員長)とFIAがこの件に関して再考すべきだということを認識してくれると思っているし、最終的にはいい考えが出てくると信じているよ」とヴォルフは締めくくっている。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック