F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、もし来年F1参戦チームが減るようなことがあれば、トップチームに3台をエントリーさせることもできると認めた。
F1イタリアGP(第13戦)後に、かつてウィリアムズで会長職にあったアダム・パーが自身のツイッターに、現在財政危機に陥っている3つのチームが来季は姿を消すだろうと書き込み、大きな波紋を呼んでいた。
F1シンガポールGP(21日決勝)が開催されるシンガポールにおいて、そうした財政危機を抱える小規模チームの存続を促すためには、これまでのようにシャシーを自社製造するのではなく、彼らのライバルチームからシャシーを購入することができるようにすることが解決策となるのではないかと尋ねられたエクレストンは次のように答えた。
「いいや。(解決策は)3台エントリーのほうだ」
現在、F1パドックでは、来季F1から姿を消しそうなチームとして、ケータハム、マルシャ、ザウバー、そしてロータスの名前がささやかれている。
それを裏付けるかのように、来季も間違いなくF1へのエントリーを続けるか、と直接的な質問を受けたザウバーの女性チーム代表モニシャ・カルテンボーンは、「その予定です」と答えるにとどまっている。
そんな中、エクレストンは、仮にいくつかのチームがF1から撤退し、グリッド上に並ぶクルマの台数が減ることになった場合には、フェラーリやメルセデスAMGといったトップチームにこれまでの2台ではなく、3台をエントリーさせる計画だと次のように語った。
「いずれにせよ、そうすべきだと思っている」
「出走を続けることに苦しみ続けるチームを見るより、私は、フェラーリやそのほかのトップチームが3台のクルマを走らせるのを見るほうがいいね」
さらに、83歳のエクレストンは、いくつかのチームが崩壊の危機に瀕(ひん)しているのは間違いないと認め、次のように続けた。
「これから2、3レース後には分かるだろう。だが、それ(3台エントリー)については検討されてきている」
エクレストンは、現在財政危機に陥っているチームに対し、生き残るための支援をするつもりはなさそうだ。
「私はずっとF1に携わってきた。長すぎると言う人たちも多いだろうがね。だが、長くやってきたおかげで、常に下位に沈むしかない人たちがいるということもよく分かっているんだ」
一方、現役ドライバーの中では最多F1出走数を誇るベテランドライバーのジェンソン・バトン(マクラーレン)は、トップチームが3台をエントリーすることになるのは残念なことだと考えているようだ。バトンは次のように語った。
「もし来年、どこかのチームが圧倒的に強いということになれば、ほかのチームは表彰台に上れないことになってしまうからね。それはあまりいいことじゃないよ」
「もちろん、彼ら(小規模チーム)がそれほど大きな困難を抱えず、さらに競争力を高めることができればいいと思う」
そう語ったバトンは、次のように結んでいる。
「でも、F1では常にそうしたことが起こってきていた」