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メルセデスAMG、チームオーダー無視のハミルトンに対する処分は行わず

2014年07月29日(火)20:22 pm

メルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)が、F1ハンガリーGP(第11戦)の決勝においてルイス・ハミルトンがチームオーダーを無視したことに対して、チームとして何らかの処分を行うのではないかと推測を否定した。

■【結果】F1ハンガリーGP決勝。順位、タイム差など

メルセデスAMGとしては、ハミルトンに対して、違うタイヤ戦略をとっていたニコ・ロズベルグを前に出すために速度を落とすよう繰り返し求めていた。だが、ハミルトンはこれに応じず、結局ロズベルグは優勝するどころか、ハミルトンに次ぐ4位となり表彰台も逃してしまっていた。

このハミルトンのチームオーダー無視事件は大ごとになる可能性もあったものの、メルセデスAMGではその後結束を固め、事態は平静さを取り戻してきているように見える。だが、2008年のF1チャンピオンであるハミルトンに対しては、内々に何らかの制裁処分が与えられるのではないかとのうわさが強くささやかれていた。

■今回のチームオーダー無視に対する処分はなし
しかし、ヴォルフは『Der Spiegel(シュピーゲル)』に対し、次のように語った。

「そういうことにはならないよ」

「我々はみんな大人なんだ。次はもっといい仕事をしなければいけないということだけだよ」

メルセデスAMGの非常勤会長であり、かつて3度F1チャンピオンに輝いた伝説的ドライバーでもあるニキ・ラウダは、もともとチームオーダー反対派であり、これまでもメルセデスAMGではチームオーダーを出さないと明言。今回のハンガリーGP決勝後にはハミルトンを擁護していた。

一方、ヴォルフはチームメート同士の戦いが激しさを増していることを考慮すれば、チームオーダーに関する姿勢を見直すべきかもしれないと認めており、メルセデスAMG内に意見の不一致があることは以前から知られていたことだ。

■ライバルチームもハミルトンの行為を支持
ハンガリーGPで今季2勝目をあげたダニエル・リカルド(レッドブル)のボスであるレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は、ハミルトンが今回のチームオーダーを無視したのは当然だと考えている。

「ルイスの気持ちは理解できるよ」と語ったホーナーは、次のように続けた。

「彼はニコと戦っているんだ。もしハミルトンがニコに彼が一番速く走ることができる戦略をとらせたら、自分自身にプレッシャーをかけてしまうことになるからね」

「ルイスの視点から見れば、今日はやめておくよ、と彼が言うのはまったく理にかなったことだ」

■メルセデスAMGも今回はチームに非があったと認める
平静さを取り戻した28日(月)には、ヴォルフもそうした見方に基本的に同意し、次のように述べている。

「2人のチームメート同士がF1タイトル争いの一番のライバルになったとき、ドライバーやチームが下す判断は非常に強い感情によってもたらされる雰囲気の影響を受けるのは明らかなことだ」

イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』にそう述べたヴォルフは次のように続けた。

「ブダペストではいろんな判断がプレッシャーのもとで行われていたし、それらを完全に吟味する時間もなかったんだ」

「今では、チームの利益のために、どちらかひとりのドライバーに自分自身にダメージを与えるようなことを依頼することはできない状況にあるということは明らかだ」

そう述べたヴォルフは、次のように付け加えた。

「ハミルトンに伝えたメッセージは、多分間違いだったと思う。だが、あのときは何が正しくて何が間違いかということを判断するのは非常に難しかったんだ」

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