ドイツの主要日刊紙である『Bild Zeitung(ビルト・ツァイトゥング)』が、ルイス・ハミルトンがメルセデスAMGとの契約金額をつり上げようとしていると報じた。
先週末のF1ハンガリーGP(第11戦)の舞台となったハンガロリンクで、今シーズンのドライバー移籍問題に関する大きなうわさがささやかれていた。それは、2015年いっぱいで現在のメルセデスAMGとの契約が満期を迎えるルイス・ハミルトンの2016年以降の契約に関することだ。
メルセデスAMGに関しては、少し前に現在ポイントランキングをリードしているニコ・ロズベルグとの契約が2015年以降総額5,500万ユーロ(約75億3,000万円)に及ぶ金額で3年間延長されたと報じられていた。
『Bild(ビルト)』は、ハミルトンと彼のマネジメントは、2016年から2018年の3年間について9,000万ユーロ(約123億円)の新契約締結を求めていると報じている。
■メルセデスAMGとベッテルのうわさは「駆け引き」のため?
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは先週、メルセデスAMGが4年連続F1チャンピオンであるレッドブルのセバスチャン・ベッテル獲得をもくろんでいると語って話題となった。だが、今回のハミルトンによる大幅な契約金増額要求が事実だとすれば、ベッテルに関するうわさの本当の出どころにも推測がつきそうだ。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーはハンガリーにおいて、マルコはレース週末には毎日のように同じオーストリア出身であり、伝説的元F1ドライバーであるニキ・ラウダとともに「朝食も昼食も、そして夕食も共にしているよ」とほほ笑みながら語っていた。
ラウダが現在メルセデスAMGの非常勤会長であることは言うまでもない。
つまり、メルセデスAMGがベッテル獲得を考えているといううわさは、メルセデスAMGがハミルトンとの契約交渉を有利に進めるために意図的に流した「契約に関する駆け引き」だったかもしれないというわけだ。もちろん、ラウダはメルセデスAMGがベッテル獲得をもくろんでいるという事実については否定する発言をしている。
■この時期そういう駆け引きは当たり前だとレッドブル
そんな中、マルコは、ドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に対し、F1の最高レベルのドライバーたちに関しては、こういう時期にそうしたうわさが流れることは何も悪いことではないと次のように語った。
「この時期において、そういうことはまったく普通のことだよ」
だが、マルコはメルセデスAMGが実際にベッテルに対して接触を試みてきたかどうかについては明言を避け、次のように付け加えた。
「それは彼(ベッテル)に聞いたほうがいいんじゃないかな」