元F1ドライバーであり、現在は解説者を務めるジョン・ワトソンは、先週末のF1ハンガリーGP(第11戦)でメルセデスAMGのルイス・ハミルトンがチームオーダーを無視したことについて、この問題は現在のチームのあり方によって生み出されたものだと考えているようだ。
「トト・ヴォルフ(メルセデスAMG/ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は自分自身の考えを反映させようとしているだろうか?」
かつてマクラーレンでドライバーを務めていたワトソンは、『Daily Mail(デイリー・メール)』にそう語ると、次のように続けた。
「彼は本当に権限を持っているのだろうか?」
「パディ・ロウ(メルセデスAMG/技術部門エグゼクティブディレクター)は素晴らしい人物だ。だが、彼はこういうことに対応する立場の人間ではない。ラウダは非常に賢い男だ。だが、彼が実際にどういう権限を持っているのかは私には分からない」
最近、F1チームの中には「チーム代表」という明確なポジションを設けないところも出てきている。例えばマクラーレンでは、前チーム代表のマーティン・ウィットマーシュが失脚した後、ロータスから迎え入れられた実質的なチーム代表であるエリック・ブーリエには「レーシングディレクター」という肩書が与えられている。
そして、メルセデスAMGでも今シーズンからチーム内での役割に応じて2人のリーダーによる2巨頭体制を敷いている。ロウが技術部門の最高責任者であり、それ以外についてはヴォルフが最高責任者であるという位置付けだ。
ワトソンは、次のように付け加えた。
「もし、あのチームを1人できちんとまとめることができる者がいたとすれば、それは彼らが手放した人物だよ。ロス(ブラウン/前チーム代表)さ」