先週末F1イギリスGP(第9戦)が開催されたシルバーストンにおいて、レッドブルの育成ドライバーであるスペイン人ドライバーのカルロス・サインツJr.を次戦ドイツGP(第10戦)からケータハムの小林可夢偉と入れ替えることに関する話し合いが行われていたことが明らかとなった。
スペインの複数の関係者がこのニュースを認めたとされている。だが、現実的には、サインツJr.が実際にドイツGPで可夢偉に代わってF1デビューを飾るという可能性はあまりないようだ。
『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』が報じたところによれば、この話し合いはレッドブルのドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコ、サインツJr.の父親で、伝説的なラリードライバーであるカルロス・サインツ、そして新たにケータハムの「アドバイザー」となったコリン・コレスによって行われ、その実現には高い「可能性」があるとしている。
推測によれば、レッドブルとしては、現在の育成ドライバーの中でも将来有望だと目されているサインツJr.を可夢偉と即時に入れ替えることをケータハムが受け入れれば、レッドブルとしてはケータハムに供給している高額なギアボックス代金を免除するという条件での話し合いが行われたと見られている。
だが、19歳のサインツJr.に近いとされる人物は、『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』に対し「何もまだ決定していないし、まだ選択肢のひとつにもなっていない」と語り、次のように続けたとされている。
「現在、カルロスは今週末のルノー・ワールドシリーズに集中しているところだ。その後、私たちは話し合いを行って考えることになる」
スペインの日刊紙『AS』も、サインツJr.がホッケンハイムで行われるドイツGPでデビューを飾る可能性もあったが、レッドブルとケータハムとの交渉はまだ合意に至っていないと報じ、次のように付け加えている。
「それゆえレッドブルとしては、今季はサインツJr.をトロロッソから金曜日フリー走行に出走させることとし、来年からレースドライバーにすることを目指すようだ」
新オーナーによって買収されたケータハムでは、実質上の責任者であるコレスが大規模なリストラ実施をほのめかすとともに、現在のドライバーライアップについてもあらためて検証を行っていると報じられていた。
新オーナーの実態はほとんど明らかとされていないが、確実にこれまでのスポンサーも失いつつあるケータハムにとっては資金繰りが非常に大きな課題となっているのは間違いない。
事実、ケータハムでは今週シルバーストンで行われた公式テストにも可夢偉やチームメートのマーカス・エリクソンは参加させず、スポンサー資金を持ち込める若手ドライバーにシートを売っていた状況であり、今後の展開に目が離せなくなりそうだ。