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シューマッハの回復を期待する不屈のドライバー、アレックス・ザナルディ

2014年07月01日(火)19:06 pm

2001年にレース中の事故で両足を失う大けがをした経験を持つ元F1ドライバーのアレックス・ザナルディが、かつてのライバルであるミハエル・シューマッハが回復し、自分の足で立ち上がるところが見たいと語った。

ザナルディは、これまでに3回、シューマッハと同時期にライバルとしてレースをしたことがある。

最初はまだ10代のころ、2人はヨーロッパのカート選手権で顔を合わせていた。そしてそれから数年後の1991年に2人はくしくも同じジョーダンからF1デビューを飾る。シューマッハは第11戦のみジョーダンで走り、その後はベネトンへ移籍。ザナルディは第14戦から最終戦までをジョーダンで過ごし、その後はミナルディ、ロータスと渡り歩いた。

■事故による障害を乗り越えたザナルディ
その後ザナルディは1996年にアメリカへと移り、CARTで1997年と1998年に2年連続チャンピオンとなる活躍を見せる。1999年にウィリアムズからF1復帰を果たしたザナルディだが、フェラーリで着々と黄金期を築く準備を進めていたシューマッハとは対照的に、思うような結果を残せず、わずか1年で再びF1を去っている。

その後、1年の休養を経て再びCARTに復帰したザナルディだったが、2001年9月にドイツのオーバルコースでのレース中に事故に遭い、両足をひざの上で切断。出血多量のため一時生死のふちをさまようこととなった。

シューマッハは、昨年末のスキー事故以来ほぼ6か月にわたってこん睡状態が続いていたが、いまではすでに意識を取り戻し、今後のリハビリに向けてスイスのローザンヌ大学病院へと転院している。ザナルディも2001年の事故のときは同じようにこん睡状態となった経験を持っている。

その後ザナルディは障害に立ち向かい、パラリンピックの自転車競技で金メダルを獲得したのを始め、47歳となった今もツーリングカーレースに現役ドライバーとして参戦を続けている。

■今度は自分がシューマッハを支えたい
そのザナルディが、シューマッハについて『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。

「僕はミハエルを子供のころから知っているんだ。カートでね。彼はどんなときでもあきらめない人間だったよ」

「だから、僕は彼の状況が改善し、こん睡状態から抜け出すだろうと確信していたよ」

ザナルディは、自分自身のこん睡については、目覚めたときに強い疲労感があったこと、そして、例えば呼吸や排尿といった単純な行為のやり方を思い出すのに少し時間がかかったということ以外にはあまりよく覚えていないという。

もちろん、シューマッハがこん睡状態に陥っていた期間は、ザナルディのときよりもさらに長く、しかも脳にも損傷を受けている。回復に向かう道のりはもっと険しいものとなるかもしれない。だが、ザナルディは希望を持っていると次のように続けた。

「事故の後で、初めて自分の新しい足(義足)で立ち上がったときのことを覚えているよ。それはシューミ(シューマッハの愛称)も参加していたあるイベントでのことだったんだ」

「僕は、彼がどのように僕を支えてくれたかを覚えている。だから、僕は彼に言いたいんだ。彼が立ち上がるのを見るのが待ちきれない。そして今度は彼を支えるのは僕の役目だよってね」

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