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井原慶子がFIA世界評議会に出席、若者からの支持が将来の鍵を握る

2014年06月27日(金)22:46 pm

FIA(国際自動車連盟)の世界評議会(2014年6月24日から27日)初日の24日(火)、出席したレーシングドライバーからは、若者への働きかけに重点を置くべきという意見が多く出た。アジア人女性初のル・マン完走を果たした井原慶子も出席している。

■現代の若者を理解する必要性

モータースポーツの未来は、若者からの支持を得られるかどうか、若者が何をモータースポーツに求めているかを理解できるかどうかにかかっている、と2度のF1チャンピオン、エマーソン・フィティパルディは語っている。

FIAドライバーズ評議会の会長も務めるフィティパルディは、10代の若者の欲しがるものが、過去は自動車だったのに対し、今はスマートフォンに変わっていると指摘。そうした新しいテクノロジーに適応することが、新世代のファンや競技者へのアピールになると話した。

フォーミュラEのプロモーターであるアレハンドロ・アガグは、若者がテクノロジーを使ってどのようにコミュニケーションしているかを理解することが、フォーミュラEのコンセプトを組み立てる上で大きな要素となったと説明した。フォーミュラEでは、ソーシャルメディアを使ってドライバーへのファン投票を実施し、結果がレース中にパワーアップとして反映されるという“ブーストボタン”を導入する。これには任天堂のテレビゲーム「マリオカート」もヒントになったとアガグは明かした。

■アジア人代表として各委員を務める井原慶子

世界耐久選手権(WEC)に参戦中の井原慶子は、トヨタやニッサンといった日本メーカーの参戦や新技術の導入によって、日本でのWECへの注目が高まっており、国際的なシリーズとしては特に人気の高いものになっていると話した。

■課題―参戦費用、レースの魅力、新興国での環境整備

一方、ウィリアムズの女性テストドライバー、スージー・ヴォルフは、モータースポーツの参戦費用が壁になっていると指摘した。同時に、FIAのシングルシーター評議会がこの問題に取り組み、フォーミュラ4といった新しいカテゴリーを創設するなどの対策を講じていることにも触れた。

ル・マン24時間レースで5度の優勝経験があるエマニュエル・ピロは、モータースポーツにおいて情熱的な戦いが繰り広げられるようにする必要があると話し、ドライバーが自由に感情を表し、レースの緊迫感をファンが味わえるところにこそレースの魅力があると語った。

「さわやかで小ぎれいで、全力を尽くしているように見えないドライバーに共感できる人がいるとは思えない」とピロは話している。

WECとフォーミュラEに参戦するカルン・チャンドックは、モータースポーツ新興国では、競技者やファンを増やす上で施設の整備が鍵になると語った。母国インドでは、F1グランプリ開催によってモータースポーツの地位が向上したものの、いまだに本格的なカートコースが2つしかないと指摘している。

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