F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、今季から導入されたV6ターボエンジンの音量や、それに伴うルールに関して批判的立場であることはすでによく知られている。
そのエクレストンが、先週末のF1オーストリアGP(第8戦)の予選においてルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)のふたりが所定のコースからはずれていたとして予選タイムが抹消されたことをきっかけに、再び現在のF1ルールに対して批判を行った。
「ばかげたことだよ。ドライバーが白線の上を走ったからといって罰するなんてね。そういうルールが必要なドライバーなどひとりもいやしないよ」
「我々が必要としているのは、昔のようなルールだよ」、とエクレストンは付け加えた。
一方、かつて3度F1チャンピオンに輝いた伝説的元F1ドライバーであり、現在はメルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、地元オーストリアのテレビ局『Laola1(ラオラ1)』に次のように語っている。
「我々は観客を失いつつある。なぜなら、レーサーと呼べる者がもういないからだ」
ラウダは、かつてネルソン・ピケが、クルマをぶつけられたエリセオ・サラザールのヘルメットにパンチを浴びせた映像が世界中に流れた1982年のドイツGPのことを引き合いにだしながら、次のように続けた。
「かつてピケがほかのドライバーの頭に一発見舞ったころのような昔に戻れないものかね」
一方で、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、エクレストンが指摘するF1エンジン音の問題について、そのこと自体が今のF1における重要な課題だとは思わないと語っている。
「僕は、これまで多くのレースを(テレビの)音を消してみていたからね」
ビルヌーブは、『motorline.cc』に笑いながらそう語ると、次のように続けた。
「僕にとってそれ(音)は問題じゃないんだ。いいレースが見られる限りはね。新しいエンジンの問題は、あまりパワーがなさそうだという印象を与えてしまうことなんだよ」
「80年代のターボエンジンだって、それほど音が大きかったわけじゃないよ。でも、クルマを見れば、それがどれだけのパワーを持っているかということが分かったものさ」、とビルヌーブは付け加えた。
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