先週末に開催されたF1モナコGP(第6戦)で、ジュール・ビアンキ(マルシャ)が9位に入り、自身のF1キャリア初のポイント獲得。そしてマルシャにとってもF1参入以来初めてとなるポイントをもたらした。
ビアンキがもたらした2ポイントにより、マルシャは直接的ライバルと言われているケータハムに差を付けるとともに、今季ここまでまだ1ポイントも取ることができていないザウバーをもチーム別ランキングで追い抜き、現在は9位にランクされている。
仮にマルシャがこのポジションを今シーズン最後までキープすることができれば、何百万ドルとも言われる賞金が資金不足に悩むチームにもたらされることになる。
マルシャにとって、モナコでのビアンキの活躍はありがたいものだったが、フランス人ドライバーのビアンキはフェラーリの育成ドライバーでもあり、ビアンキが活躍を見せれば見せるほど、皮肉なことに、マルシャでは今後ビアンキを失う可能性も高くなってくる。
24歳のビアンキは25日(日)のモナコGP決勝後に『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し次のように語っていた。
「僕にとっては優勝したような感じだよ。ほかのチームにとってはそれほどたいしたことではないかもしれないけれど、僕たちにとって9位というのは勝利に匹敵するものなんだ」
ビアンキは、今回のレースが自分自身のキャリアにおける転機となることを期待している。
「少しはその助けになるね。でも、今後については、シーズンの進展状況を見守っていかないとならないよ。トップチームに行く準備は整っていると感じている」
今回ビアンキが残した結果に対しては、現時点においては最高のドライバーであるとの評価もあるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)も称賛を送っている。
「彼はフェラーリの育成ドライバーであるというだけではなく、僕の友人でもあるんだ」
「僕たちは長い時間を一緒にマラネロ(フェラーリ本部)で過ごしているんだ。僕たちはサッカーやバスケットを楽しんでいるし、何度も一緒に旅行にも行っているよ」
『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったアロンソは、次のように付け加えた。
「彼がこれからとてもいいキャリアを積むことになると信じているし、今回の結果が来シーズンに競争力のあるコックピットを手に入れられることにつながるのを期待しているよ」
それが可能となるかどうかは、ビアンキのマネジャーであるニコラ・トッドの手腕にかかってくることは間違いない。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の現会長ジャン・トッドの息子であり、フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)やパストール・マルドナード(ロータス)のマネジャーとしても知られるトッドは、次のように語った。
「彼(ビアンキ)はレース中にさまざまなことが起こったことに助けられたということはある。だが、彼のラップタイムを見てみれば、彼に速さがあったことも分かる」
フランスのニュース専門テレビ局『BFMTV』にそう語ったトッドは、次のように付け加えた。