もし2014年にウィリアムズが勢力の一角を形成すれば、F1パドックのほぼすべてが名門の復活にわくだろう。エンジンをルノーからメルセデスに替えたばかりのウィリアムズ。かつてF1を席巻した彼らも、1997年のジャック・ビルヌーブ以来、タイトルから遠ざかっている。しかし、シーズン前の合同テストで一躍、2014年のダークホース的存在に踊り出た。
元フェラーリのドライバーで、今年からタイトルスポンサーであるマルティーニ・カラーのウィリアムズを駆るフェリペ・マッサは、バーレーンで行われた計8日間の合同テストで総合最速タイムを刻んだ。
「フェリペ(マッサ)やウィリアムズについて、ネガティブな発言をする者は誰もいないよ」とイギリス『Daily Mail(デイリー・メール)』紙に語るのは、自らもウィリアムズ出身のF1解説者デビッド・クルサードだ。
「F1にとっては素晴らしい出来事だ」とクルサードは語り次のように続けた。「マッサは世界中でポピュラーなドライバーだし、フランク・ウィリアムズのチームも人気絶大だ」
昨年F1を引退したマーク・ウェバーはミナルディやジャガー(現レッドブル)で「下積み」を経験した後、2005年から2年間ウィリアムズに在籍したが、チームにとってその時がスランプの始まりだった。
もしシーズン前の調子が今季の実戦で再現されたら、こんなにうれしいことはないとウェバーは言う。
「彼らが信頼性と強さを発揮したらすごいだろうね」と、イギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙に語るウェバーはこう付け加えた。
「フランク(ウィリアムズ)をはじめ、チームの全員はきっと大喜びするだろう。何しろ長いトンネルだったが、もともと彼らは良いチームだから」
一方でF1のトップにいる数チーム、中でもレッドブルは大幅な規則変更に翻ろうされて不満気だ。逆に、ウィリアムズにとっては大歓迎だろう。
『La Presse(ラ・プレス)』によると、6日(木)にロンドンでタイトルスポンサーとなったマルティーニと新カラーリングを発表した際にウィリアムズは、「これほど大きな規則変更は、時に大どんでん返しを演出する。下のチームには躍進のチャンスだ」と語っている。
しかしウィリアムズの娘でチーム副代表のクレア・ウィリアムズは、世界チャンピオンであるレッドブルの低迷が長く続くとは思っていない。
「もしレッドブルの(巻き返し)が見られなかったら、私にとってはそれこそが大きな驚きね」とクレアはイギリス『BBC』に語った。
「開幕戦オーストラリアGPには良い形で向かうことができるけれど、シーズン序盤の数戦を絶対にモノにすることが必要ね」とクレアは締めくくった。