ベッテルの不運を願うアロンソ
もしセバスチャン・ベッテル（レッドブル）がレース開始早々にクラッシュすれば、自分のタイトル争いの期待も膨らむことになるだろうとフェルナンド・アロンソ（フェラーリ）が認めた。
先週末開催されたF1ベルギーGPはベッテルの圧勝に終わったが、これによりベッテルが4年連続でのF1タイトル獲得に向けてその歩調を速め始めたと多くの者が考えている。
フェラーリの地元イタリアの『La Gazzetta dello Sport（ガゼッタ・デロ・スポルト）』も、スパ・フランコルシャンで行われたベルギーGP後に、「ベッテルがF1タイトルをほぼ手中にした」と書いた。
さらに、同じくイタリアの『Corriere dello Sport（コリエーレ・デロ・スポルト）』も次のように書いている。
「ベッテルは手が届かないところにいる。誰も欠点を見いだすことのできないレッドブルに乗ったベッテルは無敵だ」
「彼はミハエル・シューマッハが持つすべての記録を破ってしまいそうだ」
しかし、7月には悲惨な結果に終わっていたフェラーリも、スパでは復調の兆しが見られた。だが、アロンソは自身がタイトルを取るためには、ベッテルになんらかのトラブルが発生することが必要だと認めている。
首位を行くベッテルから46ポイント差に広げられたランキング2番手のアロンソは、ブラジルの『Totalrace（トータルレース）』へ次のように述べた。
「昨年は、ベッテルを41ポイントも引き離してモンツァ（イタリアGP）を離れたんだ。そのことは、いかに急激に状況が変わってしまうかを示すものだ」
「でも、その（自分がタイトルを取る）ためには、3レースか4レース連続で優勝すること、そして、僕に起こったように誰かがスタートのとき彼（ベッテル）に乗り上げてくれることが必要だ。あるいは、技術的な問題が起こるとかね」
アロンソが言及しているのは間違いなく1年前のベルギーGPのことだ。レース開始直後にロマン・グロージャンが駆るロータスが宙に舞い、アロンソのクルマにクラッシュ。アロンソはシャワーのごとく飛び散るカーボンファイバーの中でレースを終えてしまっていた。
「昨年はそれが僕に起こったけれど、また起こるかもしれないからね」、とアロンソは付け加えた。
