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ウィリアムズの新技術ボス、パット・シモンズQ&A

2013年08月22日(木)18:06 pm

8月にウィリアムズのチーフテクニカルオフィサーに就任したパット・シモンズがインタビューに答えた。

Q:このほどウィリアムズF1チームのチーフテクニカルオフィサーに任命されたわけですが、この新しい挑戦によって何がもたらされますか?

シモンズ:まず、素晴らしいチームだと思っている。施設はトップクラスだし、才能豊かな多くのメンバーをそろえている。ただ、まだ我々の質の高さが、サーキットにおける結果に反映されていない。だから、私が挑戦すべきなのはどうしてそうなっているのかを分析し、みんなが自信を持つことができるようにするための変革をすること、そしてパフォーマンス向上というひとつの方向に向けて焦点を絞り込むことだと思っている。

Q:ウィリアムズF1チームに加わることは、あなたにとってはどういう意味がありますか?

シモンズ:おかしなことに、親しい友人が昔のことを思い出させてくれた。それはもう何年も前、ルノーにいたときのことだが、ほかのF1チームで働くことがあるとすれば、それは唯一ウィリアムズだろうとコメントしていたんだ。そうなるまでにかなりの時間を要してしまったけれど、今こうしてここにいることをすごく幸せに思っている。

シモンズ:グローブ(ウィリアムズ本部)で数日を過ごしたんだが、最初に驚かされたのは非常に歓迎されたということだ。これから500人以上の名前を覚えることになるし、この施設についても覚えなくてはならない。だから、初めて学校に登校した日みたいな感じだよ。

Q:これまでずっとライバルの1人でもあったフランク・ウィリアムズ(チーム設立者/代表)とともに働くことになりますが、それはあなたにとってどういう意味を持ちますか?

シモンズ:フランクはこれまでずっと手ごわい競争相手だったが、常に名誉と尊厳に満ちた戦いだった。私が彼に勝つときもあれば、負けることもあった。だが、彼に対しては常に大きな尊敬の念を抱いていたよ。ライバルたちを打ち負かすために、これから我々が力を合わせることができるのでワクワクしているよ。

Q:あなたはこれまでのキャリアにおいて、多くの素晴らしいドライバーたちと働いてきましたが、これまでのところで、一緒に働いていて一番興味深かったドライバーは誰ですか?

シモンズ:一番興味深いというのは、必ずしも一番優れているということではないけれど、これまで何年にもわたってとても興味深いドライバーたちと何人も会ってきたよ。常に、すべてのドライバーたちと違ったやり方で働くことを楽しんできた。また、これまで多くの優れたドライバーたちとも一緒にやってきたよ。アイルトン・セナやミハエル・シューマッハ、そしてフェルナンド・アロンソといったね。だが、もしそのうち誰か1人を上げなければならないとしたら、私はミハエルの名前を挙げるよ。彼は非常に素晴らしい才能がある。彼はエンジニアと同じように考えるし、とても素晴らしい人間でもあるんだ。だから、私は間違いなく彼のことが大好きだよ。

Q:これまでの経験から、現在のドライバーであるパストール・マルドナードとバルテリ・ボッタスについてはどう思いますか?

シモンズ:これまで、私は外部から彼らのことを見てきただけだった。彼ら2人とは、グローブでの2日目に一緒に過ごす時間をとることができた。分かったことは、彼らは2人ともチームを発展させるために非常に献身的であり、そうする決心を抱いているということだ。素晴らしい成功を収めるために、彼らと共に働けるのを楽しみにしているよ。彼らには知的で献身的なドライバーだという印象を受けたから、彼らにその才能を発揮できるだけのクルマを与えてやりたいと思う。

Q:あなたの30年に及ぶF1でのキャリアにおいて、これまでいくつかの非常に優れたチームやドライバーたちと成功を収めてきました。32勝をあげ、4人のF1チャンピオンを輩出し、3回チームタイトルも獲得しています。そのうち、もっとも輝かしい業績だと思えるものは何ですか?

シモンズ:私は常に、自分にとって最高のレースは次のレースだと言っているんだ。私は本当にそれほど過去を振り返りたがるような人間ではないんだが、あえて言うとすれば90年代半ばにミハエル、そして2000年代の中盤にフェルナンドとともに達成したものだろうね。我々はそのとき絶対的な強さで勝利を重ねていたし、もちろんこうした業績について誇りに思っているよ。

シモンズ:でも、別の角度から、レース以外の観点からも同様に誇りとするものがある。私がさまざまなチームやドライバーを育てるために果たしてきた仕事だ。まだすごく若いときに私と一緒に働いていた者たちが、今ではさまざまなチームで管理職についているのを見るのはうれしいものだよ。私は人を指導し、成長させることが好きなんだ。

Q:ウィリアムズに何をもたらしたいですか? また、あなたの働き方がチームにとってどんな利益を及ぼすと思いますか?

シモンズ:私の最初の目標は、チームに再び成功をもたらすことだ。それを達成することだけに集中していくよ。私と一緒に働く人たちにはその成功を味わって欲しいし、ウィリアムズを本来あるべき位置に戻すために不可欠な存在となって欲しいと思っている。現状を分析し、それを改善するためには時間もかかるだろう。だが、それを促進することが私の責任なんだ。

Q:この段階でチームに加入したわけですが、今シーズンに成果が出せそうですか? それとももう来年の方に力を注いでゆくことになりますか?

シモンズ:今シーズンの残りに向けても開発が進められているよ。F1韓国GP(第14戦/10月6日決勝)まで、そしてそれ以降にも新パーツを持ち込む用意をしている。それらについては私が影響を及ぼしたものではないが、開発プログラムにおいてそれらを理解することはできる。今後のレースに向けて、風洞テストで細部にわたった見直しができることを期待しているし、運用面についても調べてみたいと思っている。

シモンズ:基本的には、より2014年のほうに目を向けることになる。それは非常に難しいプログラムだし、これまで長い間取り組んできたことの中でも最も難しいものだからね。FW36(2014年型車)の開発はうまく進められているし、それに私の影響を及ぼすことが重要だと考えている。しかし、私の影響は細かな部分よりも、その手順のほうへ大きく現れることになると思う。それが成果をあげて、チームを今後の成功に導いていけるような体制を作り上げていきたいと願っているよ。

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