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メルセデスAMG、秘密裏のF1タイヤテストで罰則か

2013年05月28日(火)11:01 am

メルセデスAMGの極秘タイヤテストについて、FIAは罰則を科す可能性を否定していない。

F1第5戦スペインGP後にメルセデスAMGが2013年型車を使用して3日間テストを行ったことについて、レッドブルとフェラーリはスポーティング・レギュレーション違反だと主張し、第6戦モナコGP決勝直前に公式に抗議を申し立てた。

決勝後にモナコGPのスチュワードが関係者を集めて聴聞を行った。その結果FIAは、ピレリがそのテストを希望していることを事前に知っていたと認めたが、テストする「機会を全チームに与えること」という条件付きでゴーサインを出したとしている。

「FIAは、全チームがこのテストに参加する機会を与えられたという確証を受け取っていない」とFIAの声明にある。

FIAは、国際法廷に持ち込む可能性を否定しておらず、その結果、「罰則が科される」可能性もある。

メルセデスAMGの非常勤会長を務める元F1チャンピオンのニキ・ラウダは、ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』に対し、FIAはテストに「代表を1人派遣した」と話し、FIAのチャーリー・ホワイティングと、F1最高責任者バーニー・エクレストンもテストについて知っていたと主張している。

ピレリの広報担当者は、フェラーリにもテストへの参加を求めたが、断わられたとしている。また、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、レッドブルのエンジニアが「非公式に」テスト参加を要請されていたと話した。

しかし、ザウバーのチーム代表モニシャ・カルテンボーンは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、「(メルセデスAMGのテストについて)何も知らない」と答えている。

レッドブルとフェラーリがピレリの申し出を断ったのは、このテストが2年前のマシンで行われると考えていたためではないかとうわさされている。

実際、すでに第3戦中国GPと第4戦バーレーンGPの間に、ピレリはフェラーリの2010年型車でテストを行っていた。

「どのチームだって、現在のクルマを使って独占的にテストを行いたいだろう」と26日(日)にレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは話している。

こうした非難に対し、メルセデスのビジネス部門のエグゼクティブ・ディレクターであるトト・ヴォルフは、テストを隠そうとしたわけでも、その機会を利用して開発パーツをテストしたわけでもないとしている。

「要請されてからテストまでに10日間しかなかった」とヴォルフは話している。「それでは、開発パーツを作る時間としては十分ではない」

ラウダは次のように説明している。「この件について要請されたとき、チーム代表のロス・ブラウンはチャーリー・ホワイティングに電話して、スポーティング・レギュレーションに反しないかどうか尋ねた」

「チャーリーはFIAの弁護士に相談してから、ゴーサインを出した」

「それに、ピレリはわれわれだけに依頼したわけじゃない。レッドブルにも聞いている」

ホーナーも、レッドブルがピレリから要請を受けたことを認めている。「われわれは断った」とホーナーは説明した。「なぜなら、そういったテストはレギュレーション違反だと考えるからだ」

今回の抗議に、ヴォルフは怒りをあらわにしている。抗議が提出されたモナコGPでは、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが優勝し、レッドブルの2台が2位、3位だったからだ。

「“負けっぷりが悪い”という言葉が浮かぶね」とヴォルフが語ったと『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えている。

メルセデスAMGのタイヤテストに関して残る問題は、メルセデスAMGが独占的なテストで不当に利益を得たのかどうかだ。

「それを判断するのは不可能だ」とF1チャンピオンを4回獲得したアラン・プロストはフランスの『RMC Sport(RMCスポール)』に語った。「しかし、この優勝がテストのおかげとは言えないと思う。そんなことを言うのはフェアじゃない」

「確実に言えるのは、公認されていないことは認められないということだ。どうなるかはこれから分かるよ」

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