24日(日)のF1マレーシアGP決勝を1-2フィニッシュで飾ったレッドブルだが、セバスチャン・ベッテルのチームオーダー無視によって勃発した内紛とも言うべき事態がどのように終結を迎えることになるのか、まだ先が見えない状況だ。これを機にマーク・ウェバーの地位が危うくなるのではないかとの見方があることに対し、ウェバーの父親がそれを否定している。
確かに、マレーシアGP決勝で自分が勝つためにチームの指示を無視したのはベッテルのほうだった。だが、実際のところ、ウェバーが3年連続のF1チャンピオンであるベッテルに対し、実質的な「ナンバー2」であることを受け入れるのを拒んでいるということが現実的な問題として議論に上ってくる可能性がある。
しかし、ウェバーの父親であるアラン・ウェバーは、息子のマークは世界的エナジードリンクメーカーであるレッドブルを率いる大富豪であり、レッドブル・レーシングのオーナーでもあるディートリッヒ・マテシッツから全面的な支援を受けていると主張し、オーストラリアの『ABC』に次のように語った。
「これだけは言えるよ。私はマテシッツ氏がマークに送ってきたメッセージを読んだが、マークの地位は保証されていると思っている」
アランはさらに、レッドブルの首脳陣にとって、本当にトラブルの種となっているのはベッテルのほうだと、次のように続けている。
「こう言っては申し訳ないが、チームはセバスチャンに対してすべて満足しているわけじゃないからね」
ベッテルは謝罪しているものの、アランは「チームがそれで少しも満足していないことを知っているよ」と述べるとともに、ベッテルはF1界全体での評判も大きく落としてしまったと次のように続けた。
「ピットレーンのあちこちで、FIA(F1を統括する国際自動車連盟)の人さえ私のところへ来て、彼(ウェバー)のことが残念だと言ってきたよ」
「ピットレーンのどこを見てもマークに対する信頼は少しも失われていないよ。信頼をものすごく大きく失ってしまったのは、多分セバスチャンのほうじゃないかな」