昨今のF1規則で、どのクルマも“見た目が同じ”。そう嘆くのは、フェラーリの伝説的デザイナー、マウロ・フォルギエリだ。
現在78才のイタリア人フォルギエリは、1960年代から80年代にかけて幾度となくフェラーリをチャンピオンに導いた人物だ。
『Speed Week(スピードウィーク)』は、「今のクルマは、まるでカートに見える」というフォルギエリのコメントを紹介している。
「どのマシンも白に塗ってみてよ。絶対に見分けがつかないと思う。問題は、設計の自由がないことだ。すべてが管理の行き過ぎだよ」
技術規則が厳しくなった結果、各チームはほかと似通ったマシンにせざるを得なくなった。デザイナーの創造性をとことん突き詰めるのが、本来のF1なのに」
「まったくバカげた話だよ」
「ひとつ新しいパーツが現れても、次の週には多くのマシンで真似されるんだからね」と、あきれ顔のフォルギエリだった。