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フェラーリ「2013年F1マシンの風洞作業はすべてトヨタの施設で」

2013年02月02日(土)6:02 am

フェラーリのチーフデザイナー、ニコラス・トンバジスのようなF1に働く人間にとって、今はとにかく最初のテストが待ち遠しい。来るシーズンの感触を早く確かめたいのだ。とりわけトンバジスは、チームの努力が結実するのを確かめたいのと同時に、昨年フェラーリが敷いた新しい組織構造がチームを正しい方向に導いているか見極めたいところだ。

ニコラス・トンバジス
「ここ何年か失意のシーズンが続いてチームの組織を変更したところ、私の時間がメカニカル面と空力面の両方に大きく割かれてしまい、仕事に大きな影響が生じた。こうした困難を軽減しようと、新たに2人を副チーフデザイナーのポジションに置くことにした」

「2人はそれぞれ異なる年のマシンを担当する。同時に空力の方法論を改善しようと、その方面にチーフを指名、これに数名の部下をあてがった。以上により、私の役回りは一連の作業の統括へと変わったほか、空力面で特定の課題を解決したり、よりクリエイティブなアプローチに取り組んだりする時間が生まれた。ここ数年でF1はますます洗練され、もはや1人の人間がすべての面倒を見ることはできなくなったよ」

新しい組織は、チームの欠点を内部から徹底的に見直すことにより生まれたものだ。人事面のリストラのほか、イタリアの著名な建築家レンツォ・ピアノ設計による風洞設備にも近代化のメスが入れられた。

「われわれは昨シーズン、最後の最後までF2012(2012年型車)の開発に追われた。同時に、シーズン終盤にかけて2013年型マシンF138の初期開発も始まって、かなりの空力作業がマラネロで行われていた。2012年は外部の風洞も使って作業を行った」

「今シーズンのマシンにかかわる作業については、すべてドイツにトヨタが所有する施設を使わせてもらう。その間、マラネロの風洞は現代の基準に合わせるべく改良が行われる。とにかく古い風洞でね。この12年間よく保ってくれたものだが、もういいかげん新しくしなければならない」

「理想を言えば、すべての風洞実験はマラネロでやりたいよ。わざわざケルンまで出向くのは決して完ぺきな方法と言えない。だが、中長期的に得られるメリットを見越して風洞の改良を今行うか、あるいはこのまま使い続けるか天びんにかけたところ、今われわれが取っている戦略がベストとの結論が出たのだ」

「2013年に向けてはチーム内の意思疎通やマシンの輸送が間違いなく効率的に行われるよう手を尽くした。もっとも、風洞の場所がどこであれ、一番重要なのは優れたアイデアと空力の開発、それに良い施設だよ」

来るシーズンに向けて大胆な予想を期待したいところだが、そこはF1のベテランであるトンバジス。大げさな答えは返ってこない。

「あまり早い段階でペラペラしゃべらないほうがよいと、ここ数年で学んだよ。だから、サーキットで答えを得るまで待つことにしようじゃないか。これまでのところ、われわれはそれなりの仕事をしてきたと思う。過去数年の自分たちからステップアップしなければいけなかったのは当然だ」

「発表会にひき続いて最初のテストで走らせるマシンは、比較的少ない風洞実験を経て完成したもの。昨シーズンを終えてようやく施設の不具合が直ったからね。それまでわれわれはF2012の開発も並行して行なっていた。そんな中で完成したF138だが、開幕まで3回のテストと開幕戦(オーストラリアGP/3月17日決勝)のいずれにも強力なマシンを投入できると確信している」

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