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笹原右京、フォーミュラテストでトップタイム「デビューの自信が深まった」

2012年12月26日(水)12:48 pm

F1ドライバーを目指している16歳のドライバー笹原右京が、12月上旬にフォーミュラカーのテストへ参加し、来季のフォーミュラデビューに向けて自信を深めた。

笹原はジュニア時代に2度カートの世界チャンピオンになり、今年は単身渡欧。オーストリアを拠点にカートで戦い、ROTAX MAX Central Eastern Europeanのチャンピオンになった。

今回テストが行われたのは12月7日(金)から10日(月)。会場はF1スペインGPも行われるカタルーニャ・サーキット、走行したのはフォーミュラ・アバルトだった。初日はあいさつなどチームとコミュニケーションを取り、コースの下見やポジション確認を行い、翌日からの走行に備えた。

先月にイタリアのイモラ・サーキットでもテストしていたことから、その時の感覚が残っており、何の問題もなく周回を重ねていく。走行距離を稼ぐことが1番の目的でもあったため、午前中だけで50周以上を走り、自分に課された課題を着実にこなしていった。

そしてこの日最後の走行では、担当エンジニアから「感覚が良かったら、サインボードを無視して走れ! 一発タイムを出してチームメートに勝とう!!」とアドバイスをもらった。こういったアドバイスをもらえることからも、笹原がチームの信頼を勝ち取っていることがうかがえる。

トップタイムを記録した後、アドバイスのとおりにピットインのサインを無視した笹原は、さらにタイムを更新。フォーミュラ・アバルトへ参戦して経験豊富なチームメートをコンマ4秒も上回るタイムを記録した。

休息日を挟んで最終日となった10日、この日はさまざまなカテゴリーから非常に多くの台数が走っており、気温が低くタイヤも冷えた状態で危険なコンディションだった。その中でも笹原は順調にタイムアップしていき、クルマへの理解度を深めていった。「どんどん手足のように使えるようになっていきました」と笹原本人も振り返っている。

この日もトップタイムを記録した笹原は、来季を見据えながら次のように語った。

「最終的にチームメートには負けることなく終わることができたのはうれしいことでした。 そして僕は、来年フォーミュラで戦うための自信が深まり、とにかくレースをしたいという気持ちがさらに強くなりました。 もっと先へ進んで行きたい! その気持ちだけです」

カタルーニャ・サーキットには高速コーナーもあるが、F1を目指してトレーニングを重ねている笹原は「(首などに問題は)全然ありませんでした。体力面に問題はまったくなかったです」とTopNewsのインタビューで力強く答えてくれた。しかし、体力面を向上することでよりドライビングへ集中できるようになることから、「これに満足せず、(トレーニングを)続けていきたいです」と話していた。

笹原が来季参戦を目指しているのは、フォーミュラ・ルノー2.0アルプスシリーズ。ほかのシリーズと違い、このシリーズではテスト走行が認められているため、F1を目指すライバルに比べて不足しているフォーミュラマシンでの走行距離を補う目的もある。

同シリーズでチャンピオンになれば、上位シリーズでF1直下でもあるフォーミュラ・ルノー3.5へのスカラシップを得られる。そしてフォーミュラ・ルノー3.5で好成績を残せば、F1という道が見えてくることから、F1ドライバーという夢が現実的な目標に変わる。

しかし、カートからフォーミュラへステップアップすると、活動予算も規模が大きくなる。練習走行なども含めた年間予算は最低でも4,000万円は必要になるとも言われており、笹原は支援してくれるスポンサーを探しながら、来季フォーミュラデビューを目指している。

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