ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)の弟で元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが、F1最終戦ブラジルGPで兄ミハエルがセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に前を譲ったことを弁護した。
ベッテルは、2012年のF1チャンピオンをかけてフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と争っていたが、ブラジルGPで6位ゴールしたことで、アロンソに対して3ポイント差で3年連続となるタイトルを獲得した。
終盤にシューマッハを抜いたことでベッテルは6位になったが、7位のままでも1ポイント差でタイトルはベッテルのものだった。しかしシューマッハに対しては、同じドイツ人で個人的にも親しいベッテルが追いついた際、争わずに追い抜かせたとして批判する声もあった。
これに対して弟のラルフ・シューマッハは、ベッテルを行かせた兄の判断は「フェア」だったとドイツのテレビ局『ZDF』に語った。
「セバスチャンのほうが速かった。彼(ミハエル)は邪魔をしてリスクを高くしたくなかったんだ」
「スポーツをする人間はお互いそうやってフェアに振る舞うものだ」とラルフは話した。
一方、アロンソと同じスペイン人で、レッドブルの姉妹チームであるトロ・ロッソで昨年までF1に参戦していたハイメ・アルグエルスアリは、こうしたこともF1の一部だと話した。
「自分がサンパウロでメルセデスに乗ってアロンソをパスさせてやりたかったね。彼が3回目のタイトルを獲得する手助けをしたかった」とアルグエルスアリはスペインのスポーツ紙『AS』に語っている。
「言っておくけれど、F1には、エンジニアリングや政治的な利益、お金といった側面もあるんだよ」
「いつか、ベッテルが得をしたのと同じような状況で、フェルナンドが得をすることもあり得るんだ」