レッドブルのセバスチャン・ベッテルは、28日(日)に行われたインドGPで優勝を飾ったことにより、ポイントランキング2番手のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)との差を13ポイントに広げ、今季のチャンピオンの最有力候補となったことは間違いない。
だが、今季の残りレースはあと3レースのみとなったものの、仮に今週末のアブダビGP(11月4日決勝)でアロンソがノーポイントで終わったとしても、今季のタイトルを確定させるためには、ベッテルはテキサスで開催されるアメリカGP(11月18日決勝)まで待たなくてはならない。
数字的なことはさておき、ベッテルの現在の好調ぶりをみれば、ベッテルが今季もタイトルを手中に収める可能性が高いように見える。
インドGPでベッテルは、1989年のアイルトン・セナ以来という、3レース連続ですべての周回でトップの座を守るという記録を打ち立てた。
さらに、インドGPでの優勝はベッテルにとって26度目の勝利であったが、この記録は伝説的なドライバーとして知られるニキ・ラウダの優勝回数記録を追い抜くものでもあった。
しかし、それにもかかわらずF1関係者の間では、ベッテルにとってのライバルであるアロンソのほうが、今季性能的に劣るフェラーリのクルマで、より印象的な走りをしてみせていると考える者も少なくないようだ。
そのアロンソはインドにおいて、このタイトル争いはベッテルとのものではなく、天才設計者といわれるレッドブルのエイドリアン・ニューイ(レッドブル最高技術責任者)との間のものだと発言している。
元トロ・ロッソのドライバーであったハイメ・アルグエルスアリもこの意見に完全に同意しているようだ。アルグエルスアリは『Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』紙へ次のように語った。
「インドGPではそれが完全に確かめられたね」
「勝ったのはニューイだし、ベッテルの才能がそれを可能としたんだ」
「アロンソは結局のところチャンピオンにはなれないかもしれない。でもアロンソはすでに大きなタイトルを獲得してみせているよ。ファンやメディア、そしてF1サーカスが、アロンソは最高のドライバーだと認めているんだからね」
「敗者が勝者と同じ評価を得るなんて、こんなスポーツは世界中さがしてもほかにはないんじゃないかと思うよ」