マーク・ウェバーは28日(日)のインドGP決勝終了後、FIA(国際自動車連盟)の公式記者会見を退席してしまった。
この事件はブッダ・インターナショナル・サーキットでのメディア対応が終わりかけるときに起こった。この時、ウェバーにはひとつも質問が向けられなかったのだ。
『Bild(ビルト)』紙のフランク・シュナイダー記者が、タイトル争いを行っているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に対し、相手が持っているものでほしいものがあるかと質問をすると、ベッテルはアロンソの方を向いて「いや、きみは帽子を持っているね」と語り笑顔を見せた。
そして、「彼(アロンソ)の帽子についてしゃべろうとしていただけさ。それにしても、どこでそれを手に入れたんだい?」とベッテルはジョークを飛ばしていた。
そのアロンソは「これ(帽子)をあげてもいいけど…いったい何のことだか…」と困惑した様子だった。
『SID通信』によると、この時ウェバーは“頭を振りながら”すでに退席していたとのことだ。
F1のメディアの代表を務めているマッテオ・ボンキアーニはインドの『IANS通信』に、ウェバーが後から謝罪したと語っている。
「あのようなことは行うべきではなかったと話していた。おそらく、あの時投げかけられた質問が気に入らなかったんだろう」とボンキアーニは述べている。
また、ボンキアーニは『SID通信』に「謝罪をしてきたし、私はそれを受け入れた」とウェバーはおとがめなしであることを示唆した。
ボンキアーニはウェバーが記者会見でとった行動に対し、スチュワード(競技委員)に罰則を促すことも可能だったが、そのようなことは行わなかった。それについて次のように説明している。
「(私はそれを)やらなかった。なぜなら、誰でもカッとなってしまったときは、正しくない反応をしてしまうことがあるからだ」
「通常は問題などない」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコもまた、ウェバーを擁護している。
「実はマークは早めのフライトを予約していて、予定に遅れていた。後で別のベッテルと同じ便を予約した」とマルコは『Bild(ビルト)』に明かしている。そして、「最後の質問は彼には向けられたものではなかったから、彼は立ちあがったんだ。(そして退席した)」と付け加えた。
同時に、マルコはアロンソが、インドGPが開催された先週末に仕掛けた“心理的なゲーム”を気にしていなかった。アロンソはインドGP開催期間中に、自身はベッテルとではなく、レッドブルのクルマを設計している天才デザイナーのエイドリアン・ニューイ(レッドブル最高技術責任者)と戦っているとのコメントを発し、レッドブル陣営に揺さぶりをかけようと試みていた。
これについてマルコは、「単なるゲームだ。でも、彼ら(フェラーリ陣営)がわれわれを苛立たせるようなことはなかったね」と影響がなかったことを強調した。