ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)が、現役で最強のF1ドライバーとしてフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)を挙げた。
シューマッハがフェラーリで5連覇を達成した翌年の2005年にその連覇を止めたのが、当時ルノー(現ロータス)で参戦していたアロンソだった。現在アロンソはドライバーズランキングで首位につけており、「自分を超える存在」に成長しつつあるとシューマッハは語った。
「何もかもがうまくいくように見える時期というのがあるものだ。だが、彼はそのために努力してきた」とシューマッハは『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』紙のインタビューで述べた。
つまりシューマッハは、F1を2連覇中で現王者でもあり、自身と同じくドイツ出身のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)より、アロンソの方が優れていると認めたことになる。
「セバスチャンは素晴らしい人間だし素晴らしいドライバーだ。だが彼は今、成長過程の中で困難な状況に取り組んでいる最中だ」とシューマッハは語る。
「いい勝者になるためには、負けることもできるようにならなければ。それも成長の一部だ」
「負けることを学んで初めて、勝利の重みと喜びをより味わうことができるようになるんだ」
それもすべて「人生の浮き沈み」の一部だと語ったシューマッハだが、それは自身のF1キャリアにも当てはまる。シューマッハは、F1で前人未到の7冠を達成し、2006年に惜しまれつつ引退したが、2010年に復帰。しかし、第2のキャリアではなかなか活躍できず、3年目の今年ようやく表彰台に上がることができた。
「これまで、一瞬でも復帰を後悔したことはない。素晴らしい瞬間はたくさんあった。外から見るとそうは見えなかったとしてもね」とシューマッハは振り返る。
シューマッハは、最多優勝記録の91勝を挙げているが、92勝目を挙げないまま再び引退することになったら「残念だ」と話した。しかし、2013年に契約を延長するかどうかについては話そうとしなかった。
「今年チャンピオンになれるかどうかについて話す必要はないよね」とシューマッハ。「それに、この旅が来年も続くかどうかは、まだはっきりしていない」
次戦のベルギーGP(9月2日決勝)は、シューマッハが自分の「リビングルーム」と呼ぶ最も好きなサーキット、スパ・フランコルシャンで行われる。そこでシューマッハは記念となる300戦目を迎える。