ドイツGPで論争を呼んだレッドブルのエンジンマップについて、25日(水)にFIA(国際自動車連盟)が予想通りにルールの解釈に関して公式声明を発表した。
22日(日)の朝、F1の統括団体FIAの技術主任を務めるジョー・バウアーがレース審査員にレッドブルの技術を精査するように求めたことでパドックに激震が走った。このとき、レッドブルはトラクションコントロールとエンジン排気システムに手を加えすぎたと言われていた。
この件について、マクラーレンのマネジングディレクターを務めるジョナサン・ニールは25日(水)に「いったいなにがこれほどまでにFIAの反感を買い、決勝直前にジョー・バウアーが指示を出すほどの事態を呼んだのか、誰もわからないんだ」と、報道陣に語っていた。
また、ボーダフォンの定例電話会議の中でニールは次のように語っていた。「こんな事態はとてもめずらしい」
「シーズンの途中で規約を書き換えるような事態にならないことを願っている。スポーツでは、ルールに一貫性があったほうがいいからね」
しかし、レース審査員はドイツGPで、現行規約の文言は、ルールの精神や意図と呼ばれるものの効力発揮を妨げている、と語っていた。
テクニカルディレクター陣は23日(月)にロンドンで会合を開き、FIAはレッドブルが突いた規約の穴を閉じる方向に進む模様で行われた。
26日(木)に発表された声明の中でルールの解釈が明確化され、特に「マップ」を使ったエンジンのトルク制御は2パーセント以内に収めなくてはならなくなった。
『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』の技術主任を務めるマーク・ヒューズは、レッドブルは違反を指摘されたのではなく、またしても「規約の網をかいくぐった」だけと主張している。
「過去数シーズンに渡り、レッドブルはルールの文言に隠された穴を他のチームよりもうまく通り抜けたんだ。レッドブルはアイデアにあふれすぎているせいで、たびたび技術的な論争の渦中に立たされているね」