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MotoGP第2戦、2戦連続ホルヘ・ロレンソがポール

2012年04月29日(日)11:56 am

MotoGP第2戦スペインGPの舞台はイベリア半島南端のヘレスサーキット。このレースを皮切りに、本格的なヨーロッパラウンドが始まる。ところで、今回からタイヤの供給に若干の変更が加えられることになったので、まずは簡単にその説明をしておこう。

レースウィークの供給本数は、フロントタイヤに関して毎戦ライダー1名あたり9本、と定められている。2012年の開幕前テストではブリヂストンが開発の一環として新構造のフロントタイヤをライダーに試してもらったが、このフィードバックが非常に好評で、早く実戦で使いたいというリクエストを受けて、今回の第2戦から1名あたり2本ずつ投入することになった。つまり、フロントタイヤの供給本数は、従来構造9本+新構造2本で、計11本がライダーに与えられるというわけだ。コンパウンドに関しては、昨年のシーズン後半からの取り決めにより、フロントタイヤの柔らかめ硬め2種類の選択肢にソフトコンパウンドが含まれていない場合は、別途ソフトも供給されることになったので、今回のレースではフロントのコンパウンドに関しては3種類が供給されている。構造とコンパウンドの総合的な違いで見ると、今回のレースで供給されるフロントタイヤは従来構造のコンパウンド3種(ソフト、ミディアム、ハード)と新構造のタイヤ、という計4種類が存在し、選手たちはそのなかからレースで装着するタイヤを選ぶことになる。ちなみに、新構造のタイヤは硬めのコンパウンドで提供され、今回の場合ではハードコンパウンドが使用されている。

第5戦カタルーニャGPまでは、上記の方式で11本のフロントタイヤが供給されるが、第6戦イギリスGPからフロントタイヤはすべて新構造のものになるため、供給本数は9本に戻される予定だ。

さらに、ウェットタイヤに関してもルールに変更が加えられた。過去のレースではブリヂストンが決定した1種類のコンパウンドのみがレースウィークを通じて使用されていたが、今回からは、もう片方の選択肢も使用できるようになった。つまり、今回のレースで言えば、ウェット用ハードコンパウンドに加えてソフトコンパウンドも選択できる、というわけだ。ただし、今回のレースウィークでは、ウェットコンディションのフリープラクティスで誰もレイン用のソフトコンパウンドは使用していない。

さて、土曜日の走行は、午前のフリープラクティスが路面温度14℃という低温のウェットコンディションとなったが、雨は昼前にあがり、午後の予選はドライコンディションで行われた。セッション終盤にはJ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー)とD・ペドロサ(レプソル・ホンダ)が次々にタイムを更新しあう激しいタイムアタック合戦を繰り広げたが、最終的に1分39秒532のタイムを記録したロレンソがポールポジションを獲得した。

ロレンソは、今回投入した新構造のフロントタイヤ(硬め選択肢のハードコンパウンド)を装着してポールポジションタイムを記録したが、新構造のタイヤが持つ優れた安定性が、難しいコンディション下での彼の卓越したタイムに大きく貢献を果たした。

2番グリッドのペドロサは、ロレンソからわずか0.135秒差で明日の決勝レースを迎える。フロント―3番手は、ドゥカティのN・ヘイデン。CRT勢のトップは、パワーエレクトロニクス・アスパルのランディ・ド・プニエ。ポールシッターのロレンソから2.168秒差の1分41秒700という好タイムで10番グリッドからのスタート。

今日の予選では、計10名の選手が新構造のフロントタイヤを装着して走行した。なかでも、ヤマハ勢のB・スピース(ヤマハ・ファクトリー)、C・クラッチロー(モンスターヤマハ・Tech3)、A・ドヴィツィオーゾ(同)の3選手はいずれも、この新構造タイヤで自己ベストタイムを記録した。

明日の気象情報では雨も予測されているが、金曜と土曜は午後から晴れ間も射しており、状況は予断を許さない。決勝レースは現地時間の午後14時(日本時間午後21時)にスタートする。

東雅雄-株式会社ブリヂストン モータースポーツタイヤ開発チーフエンジニア
「今日の予選は、今回のレースウィークで初めてのドライセッションになりました。しかし、午前のフリープラクティス3回目は雨だったので、コンディションは理想的とは言えない状態でした。そのような路面状況下でも、スリックタイヤは非常に良く作動し、選手たちからはウォームアップ性と初期グリップが良好であるというフィードバックをもらうことができました。また、新しいスペックのフロントタイヤを装着した選手たちからも高い評価をもらえたことは、とてもうれしく思っています。
 予選では、全選手がリア用に柔らかめ選択肢のソフトコンパウンドを装着して走行をしましたが、明日の決勝レースでも同様のコンディションになるならば、我々のデータが示すところによればこの柔らかめ選択肢はレースでも有効なので、こちらを選択する選手も少なくないかもしれません。今日の予選は手に汗握る内容でした。明日の決勝レースもドライコンディションに恵まれるなら、素晴らしい戦いになるのではないでしょうか」

今回の供給タイヤ:
フロント:スリック-ソフト、ミディアム、ハード / レイン-ソフト、ハード
リア:スリック-ソフト、ミディアム / レイン-ソフト、ハード

(ブリヂストン・プレスリリースより)

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