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ピレリタイヤに賛否両論

2012年04月28日(土)10:22 am

2012年の勢力図がなかなか固まらない原因として、ピレリタイヤに対して賛否両論が噴出している。

シーズン最初の4戦で、4つの異なるチームが勝利したのは、約30年ぶりのことである。優勝したマクラーレン、フェラーリ、メルセデスAMG、レッドブルのほかに、ロータスとザウバーの2チームも、優勝する可能性を感じさせる速さを見せた。

「理由はピレリだ。タイヤだよ」スイス人の元F1ドライバー、マルク・スレールは、オーストリアのテレビ番組『Servus TV(セアヴステレビ)』でこう語った。

「誰がタイヤの性能を引き出せるかの勝負だ。それにはいくつもの要素がからんでくる」

例えば、タイヤに十分熱を入れて酷使しなければいいペースを出せないマシンもあれば、低温でしか「スイート・スポット」と呼ばれるタイヤが最も機能する状態に持っていけないマシンもある。しかし、実際のところは分かっていないことのほうが多い。

「自分たちが(バーレーンで)遅かったことは分かっているよ。でも、その原因が分からないんだ」とマクラーレンのジェンソン・バトンは明かしている。バトンは、開幕戦オーストラリアGPでは圧倒的な速さを見せて優勝したが、第4戦バーレーンGPではトップのレッドブルやロータスに差をつけられた。

公には、レースが活気づいて面白くなったことを歓迎するチームが多い。マクラーレンもそうだ。だが内心では、ブリヂストン時代は良かった、と思っているのかもしれない。

「ブリヂストンは、決勝レースで最後までもつ素晴らしいタイヤを作っていた」とスレールも言っている。「緊張が走るのは、トップの2台がピットインするときだけだった」

「今は、タイヤ供給会社が緊迫した状況を生み出している。もしかしたら、時にはそれが行き過ぎているのかもしれない」

昨年HRTのドライバーだったビタントニオ・リウッツィは、このスレールのコメントの最後の部分については違う意見だ。と同時に、ピレリはF1のタイヤへのアプローチを考え直すべきだというミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)の意見とも違う。

リウッツィはギリシャの車関連サイト『gocar.gr』で次のように述べている。「タイヤが吹き飛んでいるわけじゃない。ブリスターが出ているわけでもない。マシンをきちんとセットアップして最大限の走りを引き出すことが、ドライバーにとってもエンジニアにとっても常に難しい挑戦になった」

「状況は簡単じゃない」と認めつつも、「これまでのピレリの仕事ぶりに称賛を送るべきだ」というのがリウッツィの意見だ。

リウッツィの言葉の中で、F1チームの責任者らが心から賛同できるのは、状況が「簡単じゃない」という部分だ。

「課題は、タイヤをどう使うか、マシンをどうセットアップするかだ」とメルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグは言う。

レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーも同意見だ。「今年は、タイヤがパフォーマンスを左右していると思う。タイヤについて試し、理解することが非常に重要だ」

ロータスのチーム代表エリック・ブーリエもこう言っている。「はっきりしているのは、パフォーマンスの鍵を握っているのがタイヤだということだ」

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