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F1ベルギーGPでのクラッシュをきっかけにアロンソとハミルトンの確執が再燃?

2022年09月01日(木)6:11 am

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のライバル関係が、スパ・フランコルシャンで開催された先週末のF1ベルギーGP後に再びスポットライトを浴びている。

■因縁の2人がベルギーGP決勝でクラッシュ

この2人はかつて2007年にマクラーレンでチームメート同士だったことがある。2005年と2006年にルノーで2年連続F1チャンピオンとなったアロンソがマクラーレンへ移籍した年に、そのチームメートとしてF1デビューを飾ったのがハミルトンだった。

しかし、ルーキーにもかかわらず、ハミルトンがアロンソと互角、もしくはそれ以上のパフォーマンスを示したこともあって、チームがマクラーレンの秘蔵っ子と言われていたハミルトンを優先しているのだと考えたアロンソが不満を抱えてしまう。結局ハミルトンやチーム関係者との関係がこじれてしまったアロンソはマクラーレンとの契約を1年で解除し、翌年は再びルノーに戻ったという経緯がある。

そうした因縁を持つ2人が、スパ・フランコルシャンでのベルギーGP決勝1周目でクラッシュ。ハミルトンのマシンはダメージを負ってしまってリタイアとなったものの、アロンソのマシンには大きなダメージはなく、そのまま走り続け、最終的にはちょっとした運にも恵まれて5位フィニッシュを飾っている。

■直後にハミルトンを「馬鹿」呼ばわりしたアロンソ

しかし、そのクラッシュの直後に怒りを爆発させたのは現役最年長ドライバーである41歳のアロンソの方だった。アロンソはチーム無線を通じて、7度F1王座についた実績を持つハミルトンのことを「馬鹿(idiot)」だと言い放ったのだ。

これについて、アロンソは後に次のように語っている。

「僕たちは素晴らしいスタートを切ることができていたけれど、この男は先頭からスタートしたときの走り方しか知らないんだ」

■ハミルトンは謝罪の代わりにアロンソにサイン入りキャップをプレゼント?

一方、ハミルトンは、レース後にそのクラッシュの責任は自分にあったと認めている。だが、アロンソの無線での暴言を聞いたことで、直接謝罪する気にはならなかったようだ。

「彼が僕に対してどう感じているかがわかってよかったよ」

そう語った37歳のハミルトンは次のように付け加えた。

「彼が言ったことを聞くまでは、僕は彼と話をするつもりでいたんだ」

実際のところ、ハミルトンはアロンソに対して謝罪をするどころか、「フェルナンドへ」と書かれたシールが貼られた直筆サイン入りメルセデスキャップの写真をソーシャルメディアに投稿している。

■ハミルトンの説明に疑問を呈すF1関係者も

この一件に関して、ロシアの有名なF1コメンテーターであるアレクセイ・ポポフは、アロンソがハミルトンに対して怒りを爆発させたことには一定の理解ができると次のように語った。

「“馬鹿”というひどい言葉を除けば、彼(アロンソ)はルイスが集団での戦いに慣れていないと言っているだけなんだ。彼(ハミルトン)は先頭からスタートすることに慣れている。だから、いわゆる“死角”に誰かがいるのを感じないんだ」

「しかし、ずっと集団の中にいるとそれに慣れるものだ」

「だから、そういう観点から見れば、フェルナンドが正しいんだ」

また、ドイツ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーも、そのクラッシュが起きた経緯に関するハミルトンの説明には納得できていないようだ。

「もちろん、責任は彼だけにあった。彼は自分で動いたのに、死角にいたから自分のせいではないと言ったんだ。彼は頭がおかしいんじゃないか?」

母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語ったダナーは次のように付け加えている。

「彼(ハミルトン)は彼(アロンソ)を見て、彼を追い抜き、彼のマシンにぶつかったのに、見えなかったと言っている。だから、彼の短期記憶に問題があるのか、それともただ自分が愚かだったということを認める気になれないのか、そのどちらかだろうね」

■メディア上で騒ぎになったのは残念だとアロンソ

しかし、アロンソはこの件がこれほどメディアを賑わせることになったことの方が問題だと感じているようだ。

「僕は怒っていたよ。だけど、僕が何かを言ってそれが放送されたとき、メディアで自分が言ったことに対応しなくてはならないのが残念だよ」

「普通、無線で話すのは自分のチームのためだけなんだ。だけど、あのときはイライラしていた。それは確かだよ」

アロンソと同じスペイン出身のベテランF1解説者であるアントニオ・ロバトは、アロンソを弁護する側に回っている。

「アロンソがハミルトンのことを『馬鹿』だと言ったことを額面通りに受け取るべきではないよ」

「なぜなら、普通の状況であれば、フェルナンドは決してハミルトンやほかのドライバーに対してそんなことを言うはずはないからね」

そう語ったロバトは、次のように付け加えている。

「あれ以降に起きたことは、行き過ぎだよ」。

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