F1のセーフティカードライバーを務めるベテランのベルント・マイレンダーが、オーストラリアGP後の批判を受け、自己弁護を行った。
■怒るフェルスタッペンはセーフティカーを『亀』と批判
世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンは、メルボルンでペースが遅かった緑のアストンマーティンのセーフティカーを「亀」と批判した。
「あの区間には大破したクルマはなかったのに、直線では最高時速140kmで走っていたんだ。なぜあんなにゆっくり走らなければならなかったのか分からないよ」
FIAもアストンマーティンのセーフティカーの問題を認識しているようで、メルボルンでセーフティカー導入中に角田裕毅(アルファタウリ)にクラッシュ寸前で脇に避けて、一時的に角田を抜いてしまったミック・シューマッハ(ハース)の責任を免除している。
スチュワードは「F1カーのスピードとブレーキは高く、特にタイヤとブレーキは温度を維持する必要がある。レース中はセーフティカー後方から車両10台分以下の車間距離を保って整列しなければならないと伝統的に定められているが、緊張関係にある」とし、セーフティカーのルール見直しが必要だと明言している。
■セーフティカードライバーは限界で走っていた
F1のセーフティカードライバーを20年以上務め、かつてはDTMやル・マンなどのトップレベルのスポーツカーで活躍したメイランダーは、フェルスタッペンのコメントについて問われると、次のように答えた。
「フェルスタッペンなどドライバーからの批判はよく承知しているが、私には何もできなかった」と50歳のメイランダーは主張した。
「(セーフティカーのすぐ後ろを走っていた)シャルル(ルクレール)が、私が限界で走行していたことを見抜いてくれたのはいいことだ。あれが私にできるすべてだった」
■ルクレールも文句を言いたかったが・・・
メイランダーが示唆したように、チャンピオンシップリーダーのルクレールは、スピードの問題でセーフティカーのドライバーを責めてはいない。
「正直なところ、文句を言いたかったんだ。でも、セーフティカーがコーナーでどれだけスライドしていたかを確認したから、これ以上のものはなかったと思うし、あまりプレッシャーをかけたくなかったんだ」
一方、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、F1のセーフティカーを交代で担当しているメルセデスの方が「アストンマーティンより5秒速い」と指摘している。
レギュレーションが改正されない限り、セーフティカー問題はしばらく続きそうだ。