フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネがイタリアで戦犯扱いをされているセバスチャン・ベッテルを擁護した。
フェラーリの事実上のナンバー1ドライバーであるベッテルだが、2018年は重要な局面でミスを犯すことも多かった。
その結果としてF1タイトルを取り逃したベッテルは、特にフェラーリの地元イタリアのメディアによる強い批判にさらされることになってしまった。
■いまだに続くベッテル批判
今季のF1最終戦アブダビGPが終わった後でさえ、イタリアのメディアによるベッテル批判が続いている。
例えば、『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は次のように書いている。
「ベッテルは失望に終わった選手権にさよならを告げるが、彼のパフォーマンスや態度にはがっかりだ。自分には敗れた責任はないと確信しているのだから」
■ルクレールへの期待度が上昇
そしてイタリアのメディアの期待は、すでに来季キミ・ライコネンに変わってベッテルの新しいチームメートとなるシャルル・ルクレールの方に向かっているようだ。
今年ザウバーからF1デビューを飾り、10月に21歳になったばかりのモナコ出身ドライバーであるルクレールは28日(水)にアブダビで行われたF1公式シーズン後テストにフェラーリから参加すると、前日にベッテルが刻んだタイムを更新するパフォーマンスを見せた。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、「ルクレールはフェラーリでデビューするとすぐに速さを見せた」と報じ、早くもフェラーリの救世主となることを期待しているようだ。
■ベッテルだけを責めるのは間違い
だが、アリバベーネはイタリアのテレビ局『Sky(スカイ)』に対し、ベッテルを擁護するコメントを行っている。
「最近の数レースでは本当のベッテルが戻ってきたのが分かった」
「人間なら誰でも浮き沈みを経験するものだし、1人の人間を批判したところで意味はないよ」
「我々自身も2018年の期待は大きかった。勝利も敗北も共に手にするものだ。我々は進歩を遂げたが、最終的には敗れてしまった」
そう語ったアリバベーネは次のように締めくくっている。
「我々はドライバーズ選手権で2位と3位だったが、F1では勝者のみが重要視される。しかし、2位と3位の方が4位や5位よりはいいよ」